Ron Sexsmith @ Shibuya Quattro (11th Sept '99)
Ron Sexsmithのこと
この日、Ron Sexsmithのライヴを見て、アンコール前に楽屋に戻ってみると、サポート・アクトとしてステージに現れたPeter Stuartが撮影したばかりのデジタル写真を見ている。どうやら、彼もデジタルな人なんだろう。
「僕もホームページを持っていて、もしなにかがあったら、アクセスしてよ」
そんな会話が始まっていた。
と言うので、www.peterstuart.comと言う彼のホームページを覗いてみると、今回のRon Sexsmithとのツアーの話がもう書かれている。
彼に関して詳しいことは知らないんだけど、この時のライヴで印象に残っているのはジェフ・バックリーのことを歌った曲かな。日頃はあまり演奏しないというピアノを使って歌われた、もの悲しく、ちょっと涙を誘うような曲で、ロンが演奏を終わろうとしている頃、ピーターにちょっと話をしたとき、一緒にオーストラリアをツアーしたなんてことを聞かされたものだ。
オーストラリアの友人が「ジェフはライヴを絶対に見るべきだよ。アルバムと全然違う印象を受けるから。もちろん、それほどいいってことなんだけど」なんて言っていたことがあったのに、ライヴを見ることなくして他界してしまったんだが、ピーターがジェフに特別な思い入れがあるのがこの曲を聴いて伝わったような気がする。
「難しいよね、ロンみたいなアーティストのことを書くのは。だって、いいんだよ。本当に素晴らしい声で、素晴らしい歌を、素晴らしい演奏で聴かせてくれる。でも、それ以上になにを書けばいいんだろうね」
と、ピーターに話すと、彼は彼でこんなことを言うのだ。
「気にしなくてもいいさ。だいたい、ライヴのレヴューなんて、全然関係ないことをぐだぐだ書いて、最後のちょろっと良かったの悪かったの書けばそれでいいんだから。ハッハッハ」
なんて言っているわけだ。実際、そういうのも多いしね。
これで3度目ぐらいのロンのライヴになるんだけど、いつも驚かされるのは、素晴らしい曲と歌のうまさだろうね。非の付け所がないようなメロディ・ラインと、暖かく優しい声... それだけです〜っと彼の世界に引き込まれていくのだ。
だからといって、ライヴで生えるアーティストでもない。正直言ってしまえば、前日に同じ会場で見たイースタン・ユースの怒濤のようなライヴと比べると... と言うか、もちろん、比べるのが間違いなんだけど、まるで自宅でCDでも聞いているような気分にもなる。そんな意味で言えば、退屈だと言ってしまってもいいぐらいだ。
ただ、彼の声が聞こえてくると、魔力のようにその世界に引き込まれてしまうと言うのも確か。ギターが、あるいは、ドラムスが鳴り始め、ロンの声が聞こえてくると、シーンと静まり返るのが会場。彼からはっせられるなにかを必死にとらえようとしているのか、あるいは、それに包み込まれてしまいたいのか、吸い込まれていくのか...
時折冗談を聞かせたり、ドラムスをたたきながらクィーンの曲のフレーズを口ずさんだりと、かなりリラックスしての演奏で、まるでファンの誰もが友人であるような、アットホームな雰囲気に包み込まれている。
さぁて、難しい。これ以上なにを書けばいいのか...
ちなみに、この日(9月11日 渋谷クアトロ)のセット・リストは以下の通り。
INTRO
BEATIFUL VIEW
THINKING OUT LOUD
THE IDIOT BOY
FEEL FOR YOU
IT NEVER FAILS
THERE'S A RHYTHM
LEBANON, TENNESSEE
RIGHT ABOUT NOW
AVERAGE JOE
WORDS WE NEVER USE
IN A FLASH
EVERY PASSING DAY
STRAWBERRY BLONDE
----PIANO SOLO SET------------------
TEARS BEHIND THE SHADE
PRETTY LITTLE CEMETARY
TEXAS GIRL AT HER FATHER'S FUNERAL
WASTIN' TIME
--------------------------------------
HEART WITH NO COMPANION
ONE GREY MORNING
NOTHING GOOD
SECRET HEART
STILL TIME
SEEM TO RECALL
----ENCORE---------------------------
WHAT WILL I DO?
CLOWN IN BROAD DAYLIGHT
RIVERBED
SPEAKING WITH THE ANGEL
LISTEN TO WHAT THE MAN SAID
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report and photos by hanasan
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