Hothouse Flowers @ Shinsaibashi Quattro (21st Oct '98)
アコースティックでもソウルフルなフラワーズに感動です。
- part1 -
かつてU2が運営していたレーベル、確かマザーだったと思うが、そこから10数年前にデビューしたのがホットハウス・フラワーズだった。オリジナル・メンバーは現在と同じ3人で、リード・ヴォーカリストでキーボードとギターを中心に演奏するリアム、リード・ギターのフィアクナ、そして、ベースのピーターという構成だ。といっても、U2が惚れ込んだのは彼らがまだホットハウス・フラワーズを名乗る前、ベンジーニ・ブラザーズを名乗って路上でバスキングをしていたときのこと。が、U2のレーベルからのシングル発表をきっかけにメジャーのロンドン・レコードと契約。確か86年にデビュー・アルバム「Poeple」を発表している。
メジャー・デビューした当時のバンド構成は3人のオリジナル・メンバーにドラムスのジェリー、サックス&キーボードのレオを加えた5人編成となったのだが、そのメンバーでアルバムを発表したのは5年ほど前の「Songs From The Rain」が最後。この当時、リアムの父親が他界し、いろいろな意味でバンドが休息すべきだと判断したメンバーがそれぞれのプロジェクトに着手している。リアムはオーストラリアに渡り、やはりアイリッシュのシンガー&ソングライター、アンディ・ホワイトや元クラウデッド・ハウスのティム・フィンと意気投合し、ALTというユニットを結成。(ALTは日本のみという条件で再結成し、12月3日から日本ツアーの予定)一方、フィアクナやピーターは地元のミュージシャンと数々のセッションを繰り返していたということだが、残念ながら、詳しい話は聞いていない。ただ、今回の来日で聞いたところによると、なんとフィアクナはジャマイカに渡ってジョー・ヒグスとレコーディングしたとか。どうなってんだろう。
ともかく、5年という長期間の休息を経て、再始動したのがフラワーズ。メンバーはオリジナルの3人に戻り、久々に発表したアルバムが「born」だった。なんでもドラムスのジェリーが「ジャズ・フュージョン指向に走り、サックスのレオはバンドから気持ちが離れた」ということだ。(フィアクナの話)今回のアルバムでは、バンドを抜けたドラムとベースをカヴァーするように、彼ららしからぬデジタルなサウンドも加味したサウンドを作り出している。それにびっくりしたものの、リアムのソウルフルなヴォーカル、そして、歌心いっぱいの曲の数々は全く変わっていない。おそらく、昔からのファンにはとまどいもあっただろうが、なにをどうしようと、彼らの魅力は変わらない。そんなことを再認識させたのがあのアルバムだった。
そのしばらくの後、再始動後、初めて彼らのライヴを見たのが今年のグラストンバリーだった。補足的なメンバーとして、ドラムスとベース・プレイヤーを加え、かつてベースを演奏していたピーターがギターを手にしてのライヴ。まるで歌うのが楽しくて仕方がないといった表情でステージにたった彼らを見て、一安心したのがこの時だ。しかも、それを拍手喝采で受け止めたのがグラストンバリーのオーディエンス。彼らのライヴが終わった後に「グラストンバリーはいつだってホットハウス・フラワーズを歓迎するよ」というアナウンスが流れたのだが、ヴァン・モリソンと同じく、グラストンバリーに最もしっくりするのがホットハウス・フラワーズだと再認識させられたものだ。
それから約半年を経て実現したのが、やはり5年ぶりとなる彼らの来日公演だった。といっても、今回はドラム&ベース抜きのアコースティックな編成。いわば、彼らがベンジーニ・ブラザーズとして活動していた当初のスタイルだ。もちろん、この編成でダイナミックでロックなサウンドは期待できない... はずだ。実をいえば、どんな演奏を展開してくれるのか、期待と不安を抱えて迎えたのが日本ツアーの初日、10月21日の大阪公演だった。
が、そんな不安を消し去ったのがその1曲目。デビュー・アルバムに収録されている『The Older We Get』だった。まるでフラワーズが日本にやってこなかった5年というギャップを埋めるように演奏されたのがこの曲。「年を重ねるごとに見えてくるものがある...」と歌われるここで彼らが今の自分たちのことを観客に伝えようとしていたようにも思えたものだ。考えてみれば、この曲を録音したのは85年のはず。まだ彼らが19歳の頃。そうやって考えていけば、あの当時から彼らがある種老成していたことが伺える。
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report and photos by hanasan
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