NaLas(ナラズ) @ 新宿マーズ (12th Apr. '10)
積み上げられるスタイル
久々に観るナラズのライヴ。この日のバンドは、自分たちの音を確立するために地固めを行っているようにみえた。持ち時間約30分ずっと演奏は途切れず、ライヴハウス中をロックンロールの渦に巻き込んでいくというスタイルは変わらないけど、単に曲をメドレーでやってます以上ものを作り出そうとしていた。
この日、出演順で最後だったので21時30分頃に登場したナラズは簡単な挨拶のあと、始めの音を出してがから去っていくまでロックンロールが鳴り止むことはなかった。MCのときもギターとドラムは演奏を続けるのだ。彼らの基本には、80年代のニューウェーブや、グランジとかブリットポップなど90年代のギターロックがあり、ゼロ年代のロックンロール・リバイバルがあるのだろうけど、ノンストップで演奏するという縛りを自らに課したことによって、曲が変化していく様子を楽しむジャム系バンドやROVOのようなトランス系のような聴き方ができる。もっと直接的にはDJ、特にテクノ/ハウス系のDJプレイを生演奏として再現することを目指しているようだ。
こうした演奏によって30分のライヴがひとつの固まりとして迫力を持ち、立ち止まらずに駆け抜ける爽快感を味わうことになる。こういう試みをしているバンドは「なんでそんなことやってるの?」という疑問を持たせず、「そういうもんなんだ! これが俺達のスタイルだ!」とふてぶてしく宣言した方が勝ちなのだ。「なんで?」に対して説得力あるステージを作り上げること。これがこのバンドの当面の課題であるし、その説得力は徐々に積み上げられていっている。
|
|
|