buttonジョー・ヘンリー @ 横浜サムズアップ (2nd Apr. '10)

名プロデューサー、日本のステージに立つ


Joe Henry
 アメリカの音楽シーンを席巻するプロデューサー、ジョー・ヘンリー。彼が誰に影響されて、どんな作品を提供してきたかはプランクトンの特設サイトにある人物相関図を見ていただくのが早い。

 とにかく、プロデュースしたアルバムの数々が紹介されていて、これが凄いことになっている。アラン・トゥーサンソロモン・バークランブリン・ジャック・エリオットに、こちらはいくらかお馴染みだろう、ベティ・ラヴェットの名前もある。朝霧ジャムとフジ・ロックに立て続けに出演し、その、ソウルフルでいくらか濁りの混じった歌声で、通りすがりのオーディエンスをも魅了したベティは、ジョーのプロデュースで復活したといっても過言ではない。「山」絡みでは、他にエイミー・マンなど。僕らは、知らぬ間にいろいろとお世話になっていたということだ。一方で、マドンナというポップ・アイコンも名を連ね、底知れぬ、マルチなプロデューサーということが推し量れるだろう。

Joe Henry さて、本人の作品はと言えば、だ。全てのアルバムを聴いてみたところ、これらがことごとく素晴らしかった。ブルーズやジャズといった黒さはもちろんのこと、フォークやカントリーもあれば、テックス・メックスも入り込んでいる。鼻にかかった声からしゃがれ声まで、ごく自然な形で線を結んでいる。丹念に編み込まれた音の上で、彼の声は解き放たれ、踊っている。

 今回のライヴは、3人で行われた。ジョーが操るは、年代物のギター2本とアップライト・ピアノ、そして艶のある声。クレイグ・ストリートのチームから参加したデイヴ・ピルチはウッドベースを弾きながら、時折ボディを叩く。パトリック・ウォーレンはシンセサイザーを操り、様々な音色を重ねていく。こちらはT・ボーン・バーネットの人脈だ。彼らはアイコンタクトでやりとりをしながら、確実に音を積み上げていく。

Joe Henry シンセはピアノを基本としつつ、曲によってペダル・スチール・ギターや金管へ瞬時に切り替えて、様々な色を重ねていく。特筆すべきは、ベースのデイヴだろう。彼が動く際に、「カラカラ…」と何かが鳴る。いろいろと探ってみたが解らず。数曲終えた頃、ジョーがギターをつま弾いてイントロを引き延ばしていたのだが、その時、ゴソゴソとなにやら細工をしていた。彼の手の先にあったのは膝。よく見てみると、マラカスらしきものがくくりつけられている。曲が始まると、膝はハイハットのタイミングで上下し、両手はベースラインを奏でて、次の瞬間には拳を握り、小指と手首に挟まれた柔らかいふくらみでボディに一撃。その間にも運指のついでにネックの裏を親指で叩いている…! 驚愕のテクニックを背にし、ジョーは奔放に弾けて、ギターをつま弾く。アップライト・ピアノに向かえば、とことんロマンチックに攻める。それでいて、お客さんへの気配りも欠かさない。アメリカのレジェンドたちをオトしたのは、ひとくせもふたくせもあるヒット・メイカーの「ジョー・ヘンリー」だが、ステージにいるのは、めいっぱいライヴを楽しむ「ジョー・ヘンリー」だった。

 残る公演はあとひとつ。4日の日比谷野外音楽堂(ウォッチング・ザ・スカイ '10)には是が非でも見に行って欲しい。なにせ多忙な彼だ、次に見られる機会はいつ訪れるかわからない。
Joe Henry
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