button闇鍋音楽祭2010 @ 梅田シャングリラ (21st Mar. '10)
- ソウル・フラワー・ユニオン -

ソウル・フラワー・ユニオンというコミュニティ


Soul Flower Union


 踊ろうマチルダに続くは、いよいよこたびのホスト役、ソウル・フラワー・ユニオン(以下、SFU)。彼らの奏でる音楽は、あくまで世界の矛盾を糾弾する「武器」だ。まずは音や笑いで民を誘い出し、そしていよいよ真実を塗り込めた唄を届ける。これは、ただ演説台で堅苦しく述べるより、ステージに上がって、お客さんと共に騒ぎながらメッセージを伝えることが最も効果的だと知っているからだ。それらを考えると、SFUはただのバンドではなく、分かち合いから始まるコミュニティともいえる。

Soul Flower Union 根本を支えるタイトなリズム隊に、揺らぎを加えられたシンセサイザーがこちらの体をなぜる。そこに、ギター2本のアンサンブルと血の通ったヴォーカル、小気味よい合いの手が入る。SFUの持ち味はお囃子に通じる賑やかさだが、その天然色ともいえる世界に、去年、新たに高木克が加わったことでブルーズの黒さが広がり、深みを増している。すでに完成系かと思っていた彼らの音にのりしろがあったというのが驚きだったけれども、わやくちゃな世界と対峙するため、様々なコミュニティと交わりながら突き進む基本姿勢と、いくらも違わないのだ。

Soul Flower Union SFUを見るたびに連想するのは、日本ではなくラテン圏のアーティストだ。かつて、バルセロナのジョージ・オーウェル広場(この名前もなにかの縁だろう)にて、チェ・スダカにインタビューをしたが、彼らの活動と、SFUの活動は何も変わらない。チェ・スダカたちは自身を「生き方そのもの」と言い、ネットワークと関わることは自分たちにとって喜びであり、声をあげるのは使命だとも言っていた。SFUの草の根活動は、沖縄での基地反対活動もそうだが、この日の梅田シャングリラだけをとってみても、「FMわぃわぃ」とタッグを組み、Tシャツの収益をハイチのコミュニティラジオ設立資金に回していた。また、ツイッターで知り合ったという、ビッグ・イシュー(ホームレスに仕事を提供し、自立を応援する雑誌)の売り子さんに、物販ブースのスペースを用意していた。

 すべてにおいて、SFUの懐は深かった。対バン形式の闇鍋音楽祭という企画にせよ、小さくとも真摯に活動するコミュニティとのやりとりにせよ、協力し、お互いを高めていくことには変わりない。決してポーカー・フェイスを演じないSFUは、中指を突き上げる反逆のスタンスと、人間臭さと、笑いをとらずにはいられない関西人の性をいっぺんに味わえるから、面白いのだ。


Soul Flower Union

-->踊ろうマチルダ(踊ろうマチルダ、大阪春の陣

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