昨年予定されていたツアーの振り替え公演となったこの日。吉野が急性心筋梗塞で倒れた9月26日。あの日の衝撃は今も忘れられない。血の気が引いた思いだった。命に別状はないというニュースに胸を撫で下ろした。本当に、無事であったことに心から感謝したい。

　イースタンユースの曲は、どれも腹の奥のほうをぎゅっと掴んで離さない。切羽詰るような切なさと圧迫感が合わさり、激しくありながらも限りなくはかない。それは吉野が持つ社会に対する不信感、劣等感、寂しさ、そんな孤独が詰まっているからだと思っている。等身大でぶつかっているからこそ、言葉のひとつひとつに重みがあるのだ。「生きていれば全部できる。死んだら、全部ない。」MCで語った言葉が、強く心に残ったライブだった。

　イースタンユースは、また一つ進化するはずだ。イースタンユースの第二章が、今始まろうとしている。

　最後に、終演後、会場には淺川マキの曲が流れた。彼女がこの世を去ったのが、ここ名古屋だった。ご冥福をお祈りいたします。

　-- setlist --

一切合切太陽みたいに輝く / いつだってそれは簡単なことじゃない / 沸点36℃ / 荒野に針路を取れ / 明日を撃て / 踵鳴る / 脱走兵の歌 / 夏の日の午後 / 砂塵の彼方へ / 雨曝しながらぬれるがいいさ / 黒い太陽 / デクノボーひとり旅ゆく / まともな世界 / 街はふるさと / 角を曲がれば人々の

　-- encore.1 --

夜明けの歌

　-- encore.2 --

青すぎる空

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"歩幅と太陽"
(国内盤)

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2009

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