Smashing Mag / Soul Flower Mononoke Summit（ソウル・フラワー・モノノケ・サミット） @ Kichijoji Star Pine's Cafe (7th Feb. '10)

　いろいろなものがごっちゃになって、この「場」にいたのではないかと思う。そんなライヴだった。

　ソウル・フラワー・モノノケ・サミットが生まれるきっかけとなった、そして、中川敬の音楽作りに決定的な影響を与えることになった阪神淡路大震災から15年。その節目というのもあるんだろう、当時の映像を幾度となくテレビで見ることがあったし、それをきっかけにいろいろな場所で「満月の夕べ」が取り上げられたことを知っている人もいただろう。もちろん、それもこの場で歌われていた。

　また、そんな動きの核になる伊丹英子が巻き込まれていった沖縄での米軍基地建設反対運動も忘れてはいけない。その予定地と名指しされている辺野古の海を抱える名護市の市長選挙で、反対派が勝利したのはこのライヴから2週間ほど前のことだった。もちろん、まだまだ予断を許さない状況に直面していても、普通に生きる人たちがなにかを動かしているという実感を、そして、歌がなにかの力を与えてくれたことを感じていた人も少なくはないだろう。確かに、あの選挙の時、「辺野古節」は沖縄だけではなく、日本中に響いていた。

　加えて、彼らに沖縄から奄美にはじまって民謡の素晴らしさを教えてくれたのが、この日、同じステージに立ったシーサーズだったという。おそらく、ファンの方であればご存知なんだろうが、そのひとり、宇野世志恵さんが昨年夏に他界され、中川敬はこんな追悼文を書き残している。今回の「つづらおりの宴」は彼女への追悼でもあり、同時に、そこに書き残されている「命の祝」の場でもあるんだろう。おそらく、誰もがどこかでそんな「命」をこの場で、そして、歌から感じていたのではないだろうかと思う。

　なお、ソウル・フラワー・ユニオンは3月21/22日大阪、27/28日東京にて、毎日異なるゲストを迎えての闇鍋音楽祭2010を開催。詳しくは公式サイトでご確認を。一方、シーサーズは4/21に吉祥寺マンダラ2にてライヴ。その他、浅草橋「儀来河内（ニライカナイ）」にて定例ライヴをしているとのこと。こちらも詳しくは公式ブログでチェックしてください。