2年ぶりの全国ツアー中のオーバーグラウンド・アコースティック・アンダーグラウンド。ニューアルバム、"New Acoustic Tale（ニュー・アコースティック・テイル)"を引っさげての全国ツアー。この日の名古屋はすでに終盤戦。「ちょっと太った」とか「足の『スージー（筋）』を痛めた」とか、どこか自虐的な話で笑うを誘うマーティン（ボーカル／バイオリン／ギター）を中心に、メンバーがライブを心から楽しんでいたよう。アンコールでは会場からリクエストを受け付けるなど、バンドとの距離がとても近いライブだった。

　最後に見たのはフェスティバルだったが（その時のレポートはこちら）、野外で聞く彼らの音は、とてもとても心地のよいものだった。草原の匂い、風の音、そんなものが聞こえてくるようなあたたかい音楽。勝手な印象かもしれないが、今の彼らは、それ以上に生活を感じる音楽を奏でていると思う。日常社会の中、助け合って暮らす人々が暖めてきたような、懐かしい感じを受ける。それは規模が小さいということではなくて、とても身近に、すっと心に溶け込んでくるということ。理由も言葉もなく、ただ踊りたくなる。踊らされている、そんな潜在意識をくすぶるような力を持った音楽に進化していたように思う。

　単独ツアーも残すところあと僅か。きっと今年も各地のフェスティバルを沸かせるだろう。でも、単独ツアーでしか感じられないぬくもりも、ぜひ感じてほしい。

The latest work



"New Acoustic Tale"
(国内盤)

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