ザ・ボゥディーズ @ 赤坂ブリッツ (23rd Jan. '10)
この勢いを見よ
「スペースシャワー列伝」と題して、SISTER JET(シスター・ジェット)、avengers in sci-fi(アヴェンジャーズ・イン・サイファイ)、andymori(アンディモリ)と一緒に全国をツアーし、この赤坂ブリッツが最終日だった。一階のフロアはほぼ満員、女の子の比率が少し高い。ボゥディーズはトリで、20:30ころ登場した。いつものように、おそらくサム&デイヴの"Soul Man(ソウル・マン)"が流れ、ステージ前の人たちは一斉に曲に合わせて手拍子を取る。しかし、2010年の日本で女の子たちがこの曲で盛り上がるなんていうことを誰が想像しただろうか。
そしていきなり"キープオン・ロッキン"で始めた。途中にコール&レスポンスがあるこの曲は、まず会場を温めてから演奏されることが多いけれども、一番最初に演奏するというのは彼らの自信の現れだろう。「お客さんの反応を探りながら、様子見の一曲」をやらずに、「オレたちについて来い!」という曲で始まるまでになった。このように、2009年にアルバムを出し、シングルを出し、全国をツアーして、各フェスに出て積み上げた結果がこうして形になったのだ。その勢いで披露された新曲"ホットドッグ"はアップテンポのダンサブルなもので、いきなりお客さんたちも踊りまくっていた。
MCでロイが「みなさんはもう俺達を追い越したんですよ!」といったように、お客さんたちがすごかった。コール&レスポンスはちゃんと応えるし、すぐ手拍子が起こるし、ロイは勢いありすぎて噛んだりもしたけど、MCに対する反応もよい。やっぱりバンド自身が楽しんでいることが前提だけれど、フロアにも顔が向くようになってきたから、こうした幸福な光景を作り出すことができるようになった。そして、本編終盤、"イッツ・トゥ・レイト"から"ユー・ガッタ・ダンス"の流れは今まで観たボゥディーズの中で最高点を記録したといっても過言ではない。バンドの迫力とそれに合わせるお客さんたちの動きが激しい。ロックンロールとかファンクとかR&Bとか、とかくこのバンドは過去からの引用を取り沙汰されるけれども、今、ここでたくさんの人たちを踊らせることができるバンドとして引用を超えた存在感を示しつつある。
アンコールで演奏された新曲は、スレイドとか70年代グラムロックを思わせるもので、バンドの音楽性はまだまだ広がることを予感させるものとなっている。ホットドッグのディスコぽさも合わせて要注目だ。そして"アイ・ベグ・ユー"。いつものようにロイとジムとタックスマン3人が向かい合って最初のリフを弾く光景でフロアのテンションが一気に上がる。ずっと繰り返し繰り返しステージでおこなわれてきたおかげですっかり定着したのだ。
再度のアンコールでは、この日に登場したバンドのメンバー全員で、レイ・チャールズの"ホワッド・アイ・セイ"。他のバンドはすっかり酔っ払っているのもいて、宴会状態だったけど、それもまた楽し。このツアーの雰囲気のよさがそのまま出たような締めくくりだった。
-- set list --
KEEP ON ROCKIN' / EMOTION POTION / EMOTION POTION / HOT DOG / EVERYDAY'S A NEW DAY / TINY JAMES / IT'S TOO LATE / YOU GOTTA DANCE
-- encore1 --
新曲 / I BEG YOU
-- encore1 --
WHAT'D I SAY
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