3年前、僕が始めて海外取材をしたのがこのSTS9というバンドだった。その時はアトランタのタバーナクルという元々教会の場所で、キャパは2000人程の会場だった。2008年までの4年間この会場でSTS9のカウントダウン・イベントが行われる事が恒例となっていたが、今回は会場をコロラド州はデンバーのウェールズ・カーゴ・シアターで行われた。キャパも5000人と大幅に大きくなり2日間のイベントで延べ10000人を動員したということになる。

　STS9はギター、ベース、ドラム、キーボード、パーカッションの5人編成なのだが、各自の楽器以外にもMPCやパソコン等といった打ち込み機器も使いこなすライブトロニカの先駆者的存在である。先日発売された新譜、『 Ad Explorata（アド・エクスプロラータ）』ではバンドながらエレクトロニカといった内容で、それをライブでどう展開していくかというのを見るのが今回のライブの楽しみのひとつであった。

　会場には老若男女さまざまな人達がSTS9と共に2010を迎えようと活気が会場中にみなぎっていた。初日のライブには今月末にガラージ・ア・トロワライブのメンバーとして来日予定のスケーリックが1曲参加する場面もみられた。

　31日のライブ内容は新旧織り交ぜた内容で行われ、2セットで全18曲演奏された。カウントダウンの瞬間にはメンバーの家族をステージ上に呼び、家族と共に2010年という年を迎え、彼ららしい演出によって会場中は無数に舞う紙吹雪の中、皆でハグをしあい、とても暖かい空気が流れていた。

　アンコールには「2010 Just be nice.」という希望の言葉とともに「Be Nice（ビー・ナイス）」が演奏されこの日は幕を閉じた。

--set list--

01. Peoples / 02. Tooth / 03. One A Day / 04. Evasive / 05. EB / 06. Circus / 07. Move My Peeps / 08. Shock Doctrine / 09. This Us / 10. Atlas / 11.Rent / 12. EHM / 13. Hidden Hand Hidden Fist / 14. Lo Swaga / 15. Inspire Strikes Back

--encore--

16. Wika Chikana / 17. The Unquestionable Supremacy of Nature /18.Be Nice

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"Ad Explorata "
(国内盤 / iTunes)

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