buttonスノウボーイ・アンド・ザ・ラテン・セクション
@ ビルボードライブ大阪
(15th June '09)

ジャズ・ラテンって?


  早朝、偶然に目にした『定例 : これを見逃すな! - UKジャズ・ダンス・ヒストリー』という記事。 なぜか気になった。ライブ当日でもチケットが予約可能だったこともあり、久々にビルボードライブ大阪に足を運んだ。

  UKジャズ・ダンスがどういったものなのか。スノウボーイがどういった人物なのか。どんなバンドなのか。そんなことを下調べする余裕は全くなかったが、「ザ・ラテン・セクション」というバンド名そのままに、ラテン色あふれた音を届けてくれた。

  アフロ・キューバ・サウンド、ルンバ、マンボ。私がスノウボーイのMCから聞き取れたジャンル名はそんなものだったが、おそらく細かいことを理解できていなくてもいいのだろう。思わず体を揺らしてしまうリズムと、そこに加わるジャズのフレイバー。ほんのひととき、いやな現実を忘れさせてくれる素敵な音がそこにはあった。

  個人的なことだが「正社員が入社したので6月15日で勤務終了です」という電話一本であっけなく「パート切り」されたのが6日前。各種保険もなく(どうやら初めにサインした書類のひとつに書かれていたようだ)1年7ヶ月店長同然に働いてもしょせんそんなものなのだ。テレビの世界のように思っていた雇用の現実が突然自分の身に降りかかったわけだ。もちろん次の仕事などそうそう容易に見つかるはずもなく、自分では自覚していない精神的なショックがあったのだということを、今日のライブで実感した。それと同時に、それは音楽に救われた瞬間でもあった。ジャズの要素が気持ちを落ち着かせ、ラテンのリズムが前向きにしてくれたのだから。

  さまざまにジャンル分けされるラテン音楽も、進化していくにあたり、それぞれの歴史がある。ほとんど知らないに等しい状態なのだが、例えば、今日のライブでは、その土地ごとに大地に根ざした音楽があるということがうらやましく感じられた。少なくとも、典型的な核家族で「地の人(地元の人)」という感覚が皆無な環境で育った者にとってのハナシだが。

  それと同時に、さまざまなジャンルの音が融合して別の楽しみ方ができるものに変化していくという音楽の可能性の大きさも感じた。今ではデジタル機器を使って簡単に「マッシュ・アップ」してしまうなんてこともできるようだが、そんなものがまだ存在しない時代から、人々は互いにおもしろいと思うものを上手い具合に混ぜあい、発展させてきたのだろうと思う。

  ジャズにしてみても、例えばUKではかつて、一大ジャズ・ブームがあったと聞く。そのブームを実体験した世代というと、現在の日本でいうところの後期高齢者世代になるのだろうか。彼らのナマの体験談を聞く機会はどんどん減っていくのだろう。残念ながら、資料だけ眺めてみても、その時代の空気感まではなかなか解りづらいものなのに。

  その大きなブームが去った後、スキッフルからブルース、そしてロックへという流れが生まれていったことは知っていた。だが、こうしてダンス・ミュージックへの流れがあったということは、今まで気にしたこともなかった。こども心にジャズに興味を持ったのがUS3の"カンタループ"だった私にとって、アシッド・ジャズという言葉さえ既に存在していたものだったのだから。

  21時30分から開演したセカンド・ステージは、普段からクラブ慣れしてそうな若い人たちが多かった。ごちゃごちゃと難しいことを考えるより、アルコールと体を揺さぶるリズムに身を任せているほうが楽しいはずだ。だが、イス席だと立ち上がるタイミングが難しかったのか、みんなもっと踊ったらいいのになあ、と感じたのは事実。オオサカの若者、ホント、おとなしい。

  バンドの編成は、サックス、トランペット、トロンボーンというブラス・セクションに、ベース、キーボード、ドラム、パーカッション。新作『Communication』からの曲を中心にした構成だったようだ。曲紹介ではいろいろなラテン音楽の「レジェンド」の名前が出てきたが、どのくらいすごい人たちなのかも分からない状態だったので、やはりある程度予備知識は必要だと実感した。おまけに、何語で歌われているかすら分からない。それでも、アルバムのタイトルでもある「コミュニケーション」とは、言語を超えて伝わる何かがあるということなのかもしれないなと思えた。

  ジャズ・ラテン。 新たな興味の対象が増えた。


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