ブリーチ @ 新宿マーズ (9th May '09)
天然の謎
年末のカウントダウン・ジャパン以来、約半年ぶりにブリーチのライヴだ。地元・沖縄や関西などではライヴをやっていたようだけど、今年のツアーはこれから始まる。この日の新宿マーズは、沖縄のバンドを集めたイベントで、会場にはオリオンビールの提灯が飾られていたり、泡盛が振る舞われたりして、沖縄らしい雰囲気が作られていた。
お客さんもかなり入っていて活気があった。ブリーチのひとつ前に出たバンドが明るく元気なポップ・パンクなバンドで、結構盛り上がっていた。その後を引き継いでブリーチが登場する。かすかな緊張感から、それを切り裂くヘヴィーメタルな"ジョヴォビッチ"で始まる。腹にくる重低音が会場を満たすと、さっきとは違った空気に変わっていく。
2曲目の"デス子"も前の曲の重さを生かして迫ってくる。新曲の"ナイトオブザリビングウッド"は中近東ぽいメロディが印象的だ。ハードコアを基本にしつつも、沖縄やアイリッシュなど民俗音楽的なものを取り入れている彼女たちの新たな挑戦だ。そして、超絶チョッパー奏法のベース、レゲエのリズム、轟音グランジが一曲の中に目まぐるしく交差する"悪魔は隣"、新たな展開を感じさせる新曲2曲を経て、最後が"トーチ"であった。それは一種の体験といえる轟音を体に浴び、爽快感を得ると共に、底に流れる暗さに感情を動かされ、前向きでもあり、後ろ向きでもある。そうしたいろんなものが入り交じったブリーチの音楽は未だに謎でありつつける。その謎に音が重みを与え、いつまでも魅力を放ち続けている。
この日は、古い曲を一切やらなかったけれども、自分は十分に満足できた。彼女たちの重さと新たな挑戦を垣間見ることが出来たので、次の東京ライヴ5月26日新宿ロフトで皆さんも確かめてほしい。
-- Set List --
ジョヴォビッチ / デス子 / ナイトオブザリビングウッド(新曲) / 悪魔は隣 / 僕が僕である限り(新曲) / worm(新曲) / トーチ
スケジュール
5月15日(金) 岡山CRAZYMAMA 2nd Room
5月16日(土) 周南LIVE rise
5月18日(月) 京都 WHOOPEES
5月21日(木) 水戸 LIGHT HOUSE
5月23日(土) 甲府 KAZOO HALL
5月24日(日) 柏 ALIVE
5月26日(火) 新宿 ロフト
6月19日(金) 渋谷クアトロ
6月20日(土) ヒューマンステージ
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mag files : Bleach
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photo report : (08/08/31 @ Shibuya Lush) : photos by terumi
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photo report : (07/09/20 @ Shinjuku Loft) : photos by keco
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