ザ・キャプテンズ @ 群馬音楽センター(4th May. '09)
群馬は今日も薔薇色だった
さわやかに晴れ渡ったゴールデン・ウィークのある日。JR高崎駅のペデストリアンデッキに立つと、正面の大通りが赤や黄色の花々で彩られていた。ちょうど、「花と緑のぐんまづくり2009ふるさとキラキラフェスティバル」を開催中で、市街地の花壇が、色鮮やかな花で埋めつくされていたのだ。澄んだ青空に映える、春の花々。嗚呼、なんてポップ! なんてキラキラ!! キャプテンズに会う前に、早くも乙女心ワシャワシャである。
群馬音楽センターを目指して街を歩けば、花壇以外にも花があふれている。……というか、薔薇があふれている。道行く人が、必ずと言っていいほど薔薇を手にしているのだ。実際、この日の高崎市内では、花屋さんが首を傾げるほどに薔薇が売れまくっていたらしい。立ち寄ったコンビニでも、母親に連れられた幼い姉弟が薔薇を持って駆けずり回っていた。しかも、店内に流れるBGMは “キャンディ・キャンディ”。これまた乙女心が刺激されるったらない。「今からキャプテンズに会えるのね☆」と、俄然テンションが上がる。
FMぐんまのレギュラー番組「愛の建国記念日」が3月末で終了したため、キャプテンズが群馬に登場するのは久しぶりになる。まあ、今なお、ラジオでは何かと話題にのぼっているらしいけど。王子様たちはしっかり傷跡……じゃなかった、足跡を残しておられますな。群馬音楽センターのキャパは、およそ2000人。「いくら群馬だからって、あんたそんな無茶な」と思っていたら、案の定、満員には及ばず。客席後方は、メンバーが手ずから作った傷彦人形(?)がズラリと並んでいた。
それでも、お客さんがたくさん集まってきていることに違いはない。薔薇の髪飾りでおしゃれした女の子のグループ。お揃いのタオルを首に巻いたカップル。おうちプリントで作ったらしき、傷彦顔写真入りトートバッグを持った親子連れ。着物姿のマダムに年配のご夫婦。お手製のGSスーツに身を固めたコアな一団。キャプテンズのファンは、相変わらず、客層が広い。「子ども割引」まで設定されている。本当に群馬県民に愛されているのね……と、ちょっとジェラシー。
おなじみのオープニングは、エレキの神様、寺内タケシが奏でる “ペルシャの市場にて”。お客さんの手拍子に合わせて、ステージ袖からメンバーが次々に飛び出してくる。青春まっただ中の暴れ太鼓、ドラムのヨースケ。やさしさそのもの、ロシアからやって来たやさしいシロクマ、ベースのアレキサンダー・テッド。ささやかなカリスマ、ギターのヒザシ。で、愛の貴公子、薔薇王子ことリーダーの傷彦はというと……一輪の赤い薔薇を高々と掲げ、ステージのど真ん中から、せり上がってきた。お見事。
1曲目の“夕焼けサンドビーチ”から、客席のロマンチック・メーターはいきなり振り切れる。拍手も歓声もダンスも、大きな会場に見劣りしないだけの厚みがある。黄色い金切り声を上げるお嬢さんもいれば、イスの上に立ってピョコピョコ踊っているチビッ子もいる。グルーピーは、とにかくみんな楽しそうだ。高い天井の隅々まで響き渡る嬌声は、往年のダンスホールを思わせる。「あら、ここは日劇ウェスタンカーニバルかしら?」って感じ。
何よりやっぱり、キャプテンズの放つ圧倒的な存在感が素晴らしい。とかくその奇矯な振る舞いばかりに注目が集まりがちだけれど、元々彼らは高い演奏スキルを誇る実力派バンド。ずっと同じメンバーで連れ添い(もう8年目!)、ツアーをくり返してきた結果、華美な部分を残しつつ、より洗練された大人のサウンドへと進化している。「愛」と「恋」と「薔薇」を散りばめた多幸感あふれる彼らのパフォーマンスは、今回のような広いホールでこそ、より一層輝く。ホールで見るキャプテンズ、マジ最高。
終演後、お持ち帰り自由だった傷彦人形は、一人残らず連れ去られ、群馬全域に散っていった。ペラッペラの傷彦を抱きかかえる人々は、男も女も、老いも若きも、頬を桃色に染めて、すごく幸せそう。なんか、ずるい。いつまでも群馬県民に独占させてなるものか。目指せ、薔薇色区域拡大! キャプテンズは6月から再びツアーに出る。もしも、王子様たちがあなたの元を訪れたら、その愛を、両手でガッチリと受け止めてほしい。キャプテンズと共に過ごす夏は、これまでになく薔薇色に輝くはずだ。
-- set list --
夕焼けサンドビーチ / ノーノーメモリー / 二人はダイアモンド / 秘密の花園 / 恋するマタドール / サザンカ / 薔薇の檻 / ミ・アモーレ〜薔薇色に染まれ〜 / この夜が / 恋のピストル(BAN・BAN・BAN) / 恋の片道切符 / ハートにピットイン / 恋のゼロハン
-- encore1 --
百万本の薔薇 / アディオス・アミーゴ!
-- encore2 --
失神天国〜恋をしようよ〜
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photos by sam
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