ハイ・フィデリティ @ 高円寺ハイ(22nd Apr. '09)
ドラムと歌でつくりあげるメロディ
ドラマー、高橋浩司が"High Fidelity(ハイ・フィデリティ)"という名のアコースティック・イベントを始めた。「俺がなぜずっとドラムを叩いているかといえば、好きな歌があって、好きな歌い手がいて、そのメロディを一番引き立たせるのはドラムだと信じているから。歌があるからドラムを叩いている。その想いをいつか形にしたかった。(Koji Takahashi Blogより抜粋)」という主催者の気持ちを反映するように、記念すべき第一回には、それぞれ独自の色と空気をもつ素敵な歌い手たちが集まった。ひとくちに"アコースティック"といってもいろんな形があるものだ。
浜辺シゲキはワンマン・バンド・スタイルと称し、ドラムセットの前にアコギを抱えて座り歌うという、なんとも器用な弾き語りを魅せ、続くブージー・クラクションの鈴木由紀子と笈川司は二人ともにエレキで世界を作り上げる。バンドの時はやんちゃなイメージでステージに立つ鈴木由紀子だが、ここでは凛とした女性ソロ・アーティストのような風格だ。最後を飾った高野哲(ニル)はこれぞ弾き語り、のスタイルで自分の歌を表現した。それぞれ、オリジナル、カヴァーを織り交ぜてのセットリスト。自分達の好きな、今、歌いたいうただったのはもちろんのこと、どことなく主催者に捧げる感じの選曲だったのは、高橋さんの人徳だろう。
 
ブージー・クラクションと高野哲の間に、もう1組出演していたのが近藤智洋with高橋浩司だった。主催者自ら登場と、アコギと横並びでドラムが並ぶ体制も見物だけれど、この二人が一緒にステージに立つ姿を見られるのがなによりうれしい。お互いのHPで「ピールアウトの曲はやりません」と宣言してはいたけれど、ワクワクする気持ちは隠せない。平日の夜にもかかわらず、用意されたイスに座りきれないほど集まったファンの姿をみれば、それは一目瞭然だった。11年一緒にバンドをやっていただけあって、台本のない漫才のようなMCも、「本番が一番良かった」という演奏も、すべてが自然に流れていく。一緒にやっているほうが当たり前みたいに。ラストはR.E.M.の"It's The End Of The World As We Know It(And I Feel Fine)"。これは確かにピールアウトの曲ではない……けれど、『爆裂世界』にカヴァーが収録され、ライヴでも何度となく聴いたピールアウトの曲でもあるのだ。さすが、ファンの期待はいつだって裏切らない、ふたりらしい締めくくり方だった。
主催者の人柄と、そこに惹かれて集まった人たちの想いがそのまま形になったようなイベントだった。盛況だった第1回に続き、すでに2回目、3回目が決まっている。どちらも初回に負けない豪華な布陣。そして、主催者、高橋浩司は毎回出演者の誰かとからんでステージに立つ予定だという。どんな歌にどんなドラムをあわせて、メロディにしていくのか。月イチの楽しみになりそうだ。
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高橋浩司(HARISS)presents"HIGH FIDELITY"vol.2
5月20日(水) 高円寺ハイ
LIVE:CONDOR 44(アコースティック) / SAICO+ゴンダタケシ(GRiP)Gt
+高橋浩司(HARISS)Dr / 磯部正文(MARS EURYTHMICS,ex HUSKING BEE) /
岩瀬敬吾
DJ:高橋浩司(HARISS) / ハタユウスケ(cruyff in the bedroom)
高橋浩司(HARISS)presents"HIGH FIDELITY"vol.3
6月17日(水) 高円寺ハイ
LIVE:新井仁(N.G.THREE)with丸山晴茂(サニーデイ・サービス) /
武藤昭平(勝手にしやがれ) / 松崎ナオ / もう一組、強力な出演者控えてます。
DJ:高橋浩司(HARISS) / ハタユウスケ(cruyff in the bedroom)
*詳細はこちらでご確認下さい
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report and photos by wacchy
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