リーヴ・ゼム・オール・ビハインド @ リキッドルーム恵比寿 (19th Apr. '09)
feat.アイシス、サン O)))、ボリス、エンヴィ、グロウイング
グロウイング
--幕開けはゆらゆらと心地よく--
春の麗かすぎる陽気にも関わらず、ここ恵比寿リキッドルームだけは別の天体にでも浮かんでいるかの如く、次元の違うところにあるみたいだった。普通の人からしたらすぐにでも逃げ出したくなるようなおぞましい世界であったのは間違いないだろうし、マニアにとっては夢のワンダーランドであったのもまた間違いないだろう。そんな恵比寿重低音祭『Leave Them All Behind(リーヴ・ゼム・オール・ビハインド)』がついに開催されてしまったのだ。
最初に発表になったメンツを見ただけでも体が震えた。アイシスにサン O)))という強力な海外バンドに、ボリスやエンヴィといった国内の強者。さらにグロウイングという新興勢力。これら5バンドが一堂に会してライブをすると聞いただけで本当に興奮したのだ。なんとも贅沢この上ない。会場に集まった人々もきっとそういう思いを抱いた方々ばかりだろう。チケットがまさかまさかのソールド・アウトとなったことからもこういった変態轟音祭がいかに待ち望まれていたかがわかる。改めて、凄いイベントだと実感。
開演時間のちょっと前に会場に入ってみると、ただならぬ重みが体に圧し掛かってくる。何だかそんな異様な空気が流れているかのようで少し寒気がした。自分もその空気に飲まれ、緊張感が体にじわじわと広がっていたのをよく覚えている。
定刻より10分ほど過ぎたところで、最初に登場したのがブルックリンを拠点に活動する男女混成音響トリオのグロウイング。エレクトロニカやテクノ、ノイズにアンビエント、それにクラウト・ロックなどなど様々なジャンルを横断するそのサウンドが高く評価されているバンドである。しかしながら、去年より女性メンバーが一名加わって新しく3人編成となったばかりだそうだ。
その新メンバーであるラスカを中心にして二人のギタリストがその両脇に陣取り、ライブがスタートする。今日の出演バンドの中で唯一CDを聴いていないのがこのグロウイングなのだが、ライブを見た印象で言えば、エレクトロな電子音とギターの歪んだノイズを軸に、そこに様々な音響処理が加えられていく感じ。両脇のギタリストはギターを弾きながら、足下のエフェクターやり目の前の鍵盤・機械を操るのに大忙し。真ん中の女性にしても鍵盤を操作しつつ、時折マイクを使って声を入れる(女性らしい可憐な声から、プリミティヴな咆哮まで様々)といったことを数曲で行っていた。ミニマル的な展開もさることながら、テクノであったり、インダストリアルであったりという要素が頭の中には浮かんでは消えていく。そこからは意外にも、かなりフロア寄りの横ノリサウンドといった印象が強く残った。揺ら揺らと心地よい刺激を受けながら、ステージの3人の様子を伺うのも意外に悪くない。
トップバッターにも関わらず、45分間にも及ぶステージでしっかりと観客にアピール。このイベントの中ではかなり毛色が違うのは否めず、とんでもない轟音を期待している方々が大半の状況だけにポカーンとしてる人も多かったが、グロウイングがもたらした新鮮な息吹は印象に残ったことだろう。
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幕開けはゆらゆらと心地よく : (09/4/19 @ Liquidroom Ebisu) : review by takuya, photos by saya38
photo report : (09/4/19 @ Liquidroom Ebisu) : photos by saya38
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