buttonシベリアン・ニュースペーパー
@ ヘップ・ホール (21st Mar. '09)

1冊の絵本を楽曲化すると

Siberian Newspaper
   前月の『四季』(4/22にCD発売)に続いて行われたヘップ・ホールでのプレミアムライブ第2弾。 エドワード・ゴーリーの絵本『敬虔な幼子』をシベリアン・ニュースペーパーが丸ごと音楽で表現するのだという。

Siberian Newspaper    この絵本の内容を知らない人でも楽しめるようにと、ステージ上には大きく引き伸ばされた絵本のイラストが用意されていた。 劇団TAKE IT EASY! (テイク・イット・イージー)の松村里美さんによる語りとともにそれらの絵が紙芝居のごとくめくられてゆくのである。

   冒頭、シベリアン・ニュースペーパーからゴーリーへ宛てた手紙が語り手によって読みあげられた。 今回、なぜこの『敬虔な幼子』を選んだのか。 「ただそこにあったから」だそうだ。 それ以外にきちんとした理由があったとすれば、それはバンド本人たちに直接訊いてみるべきだったかもしれない。 興味深い答えが返ってきたかどうかは分からない。 容易に理解しきれない内容なだけに、重くも軽くも、受け止め方は人それぞれだ。 哲学的、宗教的な観点から議論すればいくら時間があっても足りなくなるだろう。 残念ながら、そんな議論をできるだけの知識やバックグラウンドを私は持ち合わせていない。

   「絵本にしゃれた音楽をつけるわけではありません。『敬虔な幼子』というお話を『事実』にさせてもらいます」。 手紙はそう締めくくられ、この日ために書き下ろされた15曲が演奏されていく。

   3歳の坊やが信仰に目覚め、ひたすら祈りをささげたり、時には「施し」を行ったり、信仰心のない者をたしなめたりもする。 最期には「神に許されたのだ」と言って4歳で「天に召されて」いく、そうした様子が描かれた15のシーンに合わせた15曲だ。 楽曲自体に重さはない。 軽やかに、美しく、いつものシベリアン・ニュースペーパーらしいものだったと思う。

Siberian Newspaper    だからこそ、この「敬虔な」という言葉に違和感を感じたのかもしれない。 この絵本の原題は「The Pious Infant」。 「pious」は単に「敬虔な」では置きかえられない意味もあるようだ。 それに、この主人公の行動をみていると、ファンダメンタリズムなるものと紙一重だとも感じられてしまう。

   物語の進行中は、バンドは一切何も喋れない。 観客も拍手をするタイミングを計りかねていた感は否めない。 物語が「ジ・エンド」となり、そのままかっこよく終わるのかと思いきや、やはりいつものようなオチが待っていた。

   喋りたくてウズウズしていたように見えなくもなかっただけに、マイクを持てば堰を切ったようにいつものトークが繰りひろげられていった。 なぜかヒゲ・ダンスまで飛び出してしまう。 料理に例えてセットリストを組んでいるバンドだが、今回の試みは「レストランのアラカルト」だったそうだ。 私には懐石のミニ・コースといった印象で、なおかつ、食べ終えた後に「ちゃぶ台をひっくり返された」ような感じがした。

   2日間だけの公演の最終日ということもあってか、最後はアンコールに応えて"パレード"という曲で締めくくった。 まあ、ひっくり返したテーブルは一応元通りに片付けて終わったということだろうか。

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