ザ・50回転ズ in カウントダウン・ジャパン 08/09
@ 幕張メッセ & インテックス大阪 (30th &31st Dec. '08)
東西フェスでやりたい放題
ザ50回転ズは、幕張のカウントダウン・ジャパンに3年連続の出演となる。今までは、エルレガーデンや忌野清志郎という強力なアクトがメイン・ステージでやっているときの裏の小さいステージだった。今回はコスモ・ステージという3番目のステージ(2000人くらいか?)なので相変わらず小さいけど、同時間帯のバンドが今までほどではないので、50回転ズが有利な状況が生まれていた。
早めに客席にいると、お客さんはまだいなくてガラガラだった。定刻の10分前くらいには、ドラムのボギーが出てきてサウンドチェックを始める。そして、ベースのドリーもギターのダニーも現れて、サウンドチェックをする。お客さんもだんだんフロアを埋めるようになった。ダニーがその入りの具合を見計らって、「音聴きてぇかぁー」と煽り、お客さんたちがそれに応えると、ベンチャーズの『ワイプ・アウト』を弾きはじめ、そのまま怒涛の演奏に突入していった。大歓声が沸き起こる。さらにダニーが「声を聴きてぇかぁー!」と叫んで"50回転ズのテーマ"になだれ込んだ。完全にフライングスタートである。お客さんは大喜び。気がつくとコスモ・ステージの客席エリアは人で埋め尽くされていた。
そして"1976"、"OH! ALL NIGHT LONG!(オー・オールナイト・ロング)"、"マネー!マネー!"と完全にお客さんを掌握。フロアにいるほとんどの人が拳を振り上げ、バンドが要求しなくても自然に手拍子が発生する。ようやくここまで来た……と感慨に耽る。本当のこというと、ちょっと感動していたのだ。それはたくさんの人の心を掴むことのできるバンドであることが証明されたからだ。
この日は一向にスピードを緩めず、スローな曲もなく駆け抜けていった。新曲なのにすでに盛り上がりナンバーとなった"ブンブンブン"、ステージもフロアも一斉に頭を左右に揺らす"少年院のソナタ"、そして"Thank You For RAMONES(サンキュー・フォー・ラモーンズ)"で頂点を迎えた。最後は"おさらばブギウギ"で締める。"おさらば〜"でのコール&レスポンスだって、以前は煽って煽ってようやく客席から声が出てきたけれども、今は最初からフルボリュームでコール&レスポンスがおこなわれる。
フェスで幸せな光景というのは、バンドとお客さんが心を通じ合わせる瞬間に立ち会えることである。50回転ズには毎回毎回フェスでマジックを起こしているけども、ここまでくるとフェスに欠かせないバンドになりつつあるんじゃないかとすら思う。彼らのシンプルで親しみやすい音楽性もさることながら、天才的な芸人でもあるダニーの盛り上げ、そして何より熱いパンク魂、これに触れて最高の空間が作られるのだ。
翌日は大阪の会場に登場する。東京でいえばお台場みたいなところにあるインテックス大阪という幕張メッセでのカウントダウン・ジャパンの半分くらいの規模の会場である。この会場のメイン・ステージにあたるオーロラ・ステージ(1万5000人くらい?)の20時に出演なので、去年のセカンドステージで昼間の出演と比べていい場所、いい時間である。同じ時間帯でもう一方のステージには、今年の朝霧JAMにも出演したボノボ。そうした扱いを考えると、要するに抜擢されたといってもいい。もちろん50回転ズのホームグラウンドの大阪ということもあるけど、この一年で存在感を増したということでもある。
セットチェンジのときに、バンドが登場してお客さんを煽り、またまたベンチャーズの"ワイプ・アウト"を演奏する。音を聴きつけたお客さんたちがステージ前に集まってくる。前日はそのまま本編に突入したけれども、この日はちゃんと一旦引っ込む。
そして、程よく客席が埋まったメイン・ステージにバンドが登場。勢いよく"50回転ズのテーマ"から始まり、"マネー!マネー!"と畳み掛ける。最初から飛ばすバンドに引っ張られる感じでお客さんたちも温まってくる。新曲の"たまにはラブソングを"も披露。珍しところでは"ロックンロールフォーエバー!"も。"ヤンガーズ・オン・ザ・ロード"〜"Thank You For RAMONES"〜"おさらばブギウギ"という鉄壁の流れで締める。いつものように全力のライヴだった。正直、ライヴの盛り上がりの密度という点では前日の方が上だったけど、地元で気心知れた感じがあった。
ライヴが終わっても、DJブースでダニー&ドリーとしてDJとしての出番があった。なぜか頭に袋を被り登場した2人は、機材の操作を教えてもらいながらのド素人DJ。かける曲は、予想できることだけど古いロックンロールが多い。中でもルースターズの"恋をしようよ"やキャロルなどの日本の古めのロック、わざわざTシャツ着替えてのラモーンズなど、彼らのルーツをそのまま反映させた曲をかけまくる。まあ、選曲やDJ技術(ピッチを合わせるなんて期待してないけど、せめてイコライザを使って出音を揃えてほしかった)というより、とにかく跳びはね動き回り、エアギターをおこない、そして歌うという、彼らのライヴ並にカロリーを消費するDJセットだったのだ。交代した次のDJが"マネー!マネー!"をかけたところ、ダニーが歌い出しカラオケ状態に。ここまで体を張ったエンターテイメントなDJも珍しいことだろう。
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photos by ryota
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≪ザ50回転ズのビックリツアー!!≫
10/28(火)広島ナミキジャンクション
10/29(水) 島根・松江EURUS
10/31(金) 熊本DRUM Be-9
11/01(土) 長崎DRUM Be-7
11/04(火) 高知X-pt.
11/05(水) 徳島JITTER BUG
11/13(木) 静岡・清水JAMJAMJAM
11/14(金) 三重・四日市CLUB CHAOS
11/18(火) 岩手・盛岡club change WAVE
11/20(木)福島・郡山#9
11/22(土)茨城・水戸LIGHT HOUSE
11/24(月・祝) 神奈川・CLUB CITTA'川崎(イベント)
11/25(火)千葉LOOK
12/01(月) 京都磔磔
12/02(火)神戸スタークラブ
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<2009>
2/07(土)岡山MO:GLA
2/08(日) 福岡DRUM BE-1
2/17(火) 石川・金沢vanvanV4
2/18(水) 新潟JUNK MINI BOX
2/21(土) 旭川CASINO DRIVE
2/22(日) 札幌BESSIE HALL
2/24(火) 宮城・仙台JUNK BOX
2/27(金) 香川・高松DIME
3/01(日)愛知・名古屋ELL
3/03(火) 東京・赤坂BLITZ
3/05(木)大阪・なんばHatch〜ファイナル〜
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東西フェスでやりたい放題 (08/12/30 - 31 @ Makuhari Messe & Intex Osaka) : review by nob, photos by ryota
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CD review 50回転ズのビックリ!! (08/12/19) : review by nob
photo report (08/10/13 @ Yokohama Blitz) : photos by ryota
様式の確立へ (08/09/30 @ Shibuya O-West) : review by nob, photos by ryota
photo report (08/09/30 @ Shibuya O-West) : photos by ryota
photo report (08/04/01 @ Kitaro Chaya) : photos by ryota
photo report (08/03/30 @ Shinjuku Tower Record) : photos by ryota
photo report (08/02/29 @ Osaka Bigcat) : photos by ryota
次のステップへ (08/02/26 @ Liquidroom Ebisu) : review by nob, photos by ryota
photo report (08/02/26 @ Liquidroom Ebisu) : photos by ryota
photo report (08/01/12 @ Club Citta' Kawasaki) : photos by ryota
50回転ズ年末大作戦:幕張編 (07/12/31 @ Makuhari Messe) : review by nob, photos by ryota
photo report (07/12/31 @ Makuhari Messe : photos by ryota
50回転ズ年末大作戦:大阪編 (07/12/29 @ Intex Osaka) : review by nob, photos by tommy
photo report (07/12/29 @ Intex Osaka) : photos by tommy
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