buttonte' (テ) @ 名古屋クラブアップセット (24th Nov. '08)

燃え盛る衝動

te'
 この日、一番手で登場したピープル・イン・ザ・ボックスが真っ直ぐなサウンドで聴衆を魅了すれば、二番手のスリーピーはゆらめくようなノイズと郷愁のメロディを響かせて聴くものの感動を誘った。そんな感動的なムードが会場を包んだまま登場したのが本日の主役のte'(テ)である。いよいよ今回のサード・アルバムのリリースツアーも終盤戦に突入した彼等がいかなるライブをここ名古屋で繰り広げるのかが非常に楽しみであった。

te' "人間は自由なものとして生まれ、至る所で『鎖』に繋がれてゆく。" のイントロのギターが雷鳴のように轟けば、紅き喧騒の渦に飲み込まれていく。前方をふと見てみると、拳を振り上げ、ヘッドバンキングをして大いに盛り上がっている聴衆の姿が多々見られた。個人的に彼等のライブを見るのがこれが三度目となるのだが、今までと比べても盛り上がりが段違いに凄い。っていうか名古屋でここまで盛り上がった記憶が無い。さっきまでのピープル・イン・ザ・ボックスやスリーピーの感動的な余韻はどこへいってしまったのかと思えるぐらい、熱い、熱い、熱すぎるライブが始まってしまったのだ。続いては必殺の "如何に強大な精神や力といえども知性なくしては『無』に等しい。" をぶちかまし、異常なぐらいに熱気を高める。インストゥルメンタルながらハードコアに匹敵するぐらいのとてつもない破壊力、4人の激情が激しく衝突して生まれる強大なエネルギーに思わず意識が遥か彼方に吹き飛ばされそうになった。

te' 「ピープルやスリーピーの後に変なヤツラがちゃかちゃかうるさくしてすいません」とMCで語っていたが、今宵も地を震わせながら伝わってくる一音一音の衝撃が凄い。いや、これを感じられなければテのライブに来た気がしない。体の芯から震えるような轟音の激流、そうこれを待っていたのだ。インストゥルメンタルでありながら、やっぱり彼等はロックの初期衝動を強く感じさせてくれるバンドなのである。

 といいつつも中盤では彼等流の聴かせるタイプの曲を連続で演奏。激しいライブの中でも一時の潤いのようなものが感じられるこの瞬間もまた魅力の一つだと思っている。だが、そのときでもなぜか胸に突き刺さってくるものがあるから不思議だ。おそらく繊細な深みを持っているからだろう、非常に味わい深く感じられる。また、ピンと張り詰めた緊張から解き放つmasa(マサ)のMCも相変わらずライブでは重要な位置づけを持っている。この日は「歌いてえ!」なんてバンド自体を否定するような発言(笑)もあったけれども、観客との距離感が一気に縮まるようなそんな魅力を持っている。

te' "沈黙中の表情にこそ、言葉選びに勝る本当の雄弁が『存在』する。" からは再び剥き出しの感情が露になる。静寂と轟音の狭間を行き交い、激しい爆発を起こす音塊に自分自身も興奮を隠せなかった。心の中に炎のようなものが燃え広がっていく、そんな感覚を覚えるのだ。途中、ドラムのtachibana(タチバナ)が曲順を間違えるというハプニングもあったが(セットリストは始まるちょっと前につくったそうだ)、その微笑ましい光景も相まって一層熱気が高まることとなった。

 アンコールでは全精力を注ぎ込み2曲を熱演。とりわけ最後となった"死闘、勇鋭、死憤、励鈍、倖用、待命、陥陳、勇力、必死、冒刃。"では、フロントの二人のhiro(ヒロ)とmasa(マサ)が演奏を二の次にして一緒に拳を振り上げて聴衆を煽っていた。それに呼応するように歓声と拳が湧き上がる会場。この一体感が今までよりも遥かに強いもののように感じられた。そして、熱く激しいライブに、ただただ興奮しっぱなしであった。

 先に登場した2バンドも持ち味を発揮して本当に素晴らしいライブを披露してくれたが、テも五感をぶっ飛ばすような罪なライブを見せてくれたと思う。これだから彼等のライブに行くのがやめられないのだ。残りの公演でもきっと今日のような迫力満点のライブを見せてくれるに違いない。

-- setlist --

1. 人間は自由なものとして生まれ、至る所で『鎖』に繋がれてゆく。
2. 如何に強大な精神や力といえども知性なくしては『無』に等しい。
3. いつも好転する未来を望み、しかし時節の変化は『恐』れている。
4. 思想とは我々の選ぶものを見せず、我々の好むものを『見』せる。
5. 具眼の士に検閲されることは、最も正しい『価値』の決定である。
6. 詩はただ、病める魂の所有者と孤独者との寂しい『慰』めである。
7. 沈黙中の表情にこそ、言葉選びに勝る本当の雄弁が『存在』する。
8. 他に寄せる信頼の大部分は、己の内に抱く自信から『生』まれる。
9. 夢とは現実という平凡なものに付ける美しさに似た『嘘』の俗称。
10. 言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ。


-- encore --

1. 我々は希望に従って約束をし、恐怖にかられて約束を『果』たす。
2. 死闘、勇鋭、死憤、励鈍、倖用、待命、陥陳、勇力、必死、冒刃。
te'

report by takuya and photos by yoshitaka
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≪サード・アルバム、『まして、心と五感が一致するなら全て最上の『音楽』に変ずる。』リリース・ツアー≫

12/06(土) 大阪Shangri-La -tour FINAL-
12/20(土) 沖縄桜坂セントラル

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button燃え盛る衝動 (08/11/24 @ Nagoya Up Set) : review by takuya, photos by yoshitaka
buttonphoto report (08/11/24 @ Nagoya Up Set) : photos by yoshitaka
button言葉よりも前に広がる想いを (08/10/25 @ Shibuya Club Quattro) : review by ai, photos by yusuke
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buttonCD review : まして、心と五感が一致するなら全て最上の『音楽』に変ずる。 (08/09/28) : review by takuya
button轟音の楽園 (08/06/28 @ Nagoya Apollo Theater) : review by takuya, photos by yoshitaka
buttonphoto report (08/06/28 @ Nagoya Apollo Theater) : photos by yoshitaka
button高架下にて (07/10/20 @ Live Square 2nd Line) : review by miyo


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The latest album

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"まして、心と五感が一致するなら全て最上の「音楽」に変ずる。"
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"音楽の研究者は、音楽をねじ伏せようとしてはいけない。音楽をして、 音楽の赴く所に赴かしめるように導けばよい。そうして音楽自身をして音楽を研究させ、 音楽の神秘を物語らせればよい。"
(国内盤)

previous works


"それは、鳴り響く世界から現実的な音を『歌』おうとする思考。"(国内盤 / iTunes)
"言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に『過』ぎぬ"(国内盤 / iTunes)
"ならば、意味から解放された響きは『音』の世界の深淵を語る"(国内盤 / iTunes)


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button燃え盛る衝動 : テ(24th Nov. @ 名古屋クラブアップセット)
button真っ直ぐに伝わる : ピープル・イン・ザ・ボックス(24th Nov. @ 名古屋クラブアップセット)
button踊り狂った素敵な夜 : ザ・ミュージック (11th Nov. @ 名古屋ダイアモンドホール)
buttonCD review : まして、心と五感が一致するなら全て最上の『音楽』に変ずる。 : テ (28th Sep.)
buttonCD review : マラ・サングレ : ソシエダード・アルクホリカ (31th Jul.)
button短時間でも濃厚 : ギー(28th Jun. @ 名古屋アポロシアター)
button轟音の楽園 : テ(28th Jun. @ 名古屋アポロシアター)
button色づき始めた未来 : ムーディー・オン・ザ・サクバン(28th Jun. @ 名古屋アポロシアター)
button貫禄十分の帝王 : キルスウィッチ・エンゲイジ(11th June. @ 名古屋クラブクアトロ)
button新しい風を求めて : フォールズ / ミッドナイト・ジャガーノーツ(16th May. @ 名古屋ボトムライン)
button20回記念のスペシャルな夜 : エクストリーム・ザ・ドージョー Vol.20 スペシャル(9th May. @ 名古屋クラブクアトロ)
button引きずり込まれるロックフィールド : ギー(6th Apr. @ 名古屋ロックンロール)
buttonポップな魔法に魅了されたひと時 : アニマル・コレクティヴ(17th Mar. @ 名古屋クラブクアトロ)


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