Takahiro Tsunomori with Dynamic Oceans @ Shibuya 7th Floor (3rd Oct. '08) guest : Tomohiro Kondo,Megumi Mashiro,Syojiro Konishi, Yasuhiro Nakamori,Tatsuya Kashima,Akiko Higashikawa
-Part.1-

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まずは弾き語りでダイナミック!
あるライヴ・ハウスの新年イベントで毎年見かける人がいた。ウクレレを小わきに抱え、胸の前で小刻みに手を振りながら、満面の笑みと関西弁とともにステージに上がってくる。歌う曲名は"仁義無き痴漢電車"、"俺はプレイボーイだ!"(サビは水子! 水子!)……、ちなみに彼のブログ・タイトルは『オゲレツ365日』! 人の良さそうな笑顔から一転、顔面崩壊百面相的な様相で、ポップなメロディにのせて人生の悲哀を卑猥な歌詞でうたう姿は、会場をもれなく爆笑と苦笑の渦に巻き込む。さらに、帰り道では、一度聴いたら即覚えてしまう禁句的フレーズを思わず口ずさみ、夜道でゲラゲラ笑いだしてしまうという、恐るべき洗脳力と破壊力を持った歌なのだ。そのものすごい歌をうたう人、名を角森隆浩さんという。
角森さんはソロ活動のほかにダイナミック・オーシャンズというユニットをやっている。8月にメンバーとともに作り上げたファースト・アルバム『ビバ! ダイナミック』をリリース、この日はそのレコ発ワンマンだ。普段のライヴでしばしば「スタジアム・ロォォーーック!!」とシャウトしている角森さんだが、会場は渋谷の7thフロアである。めちゃアコースティックな会場である。しかし、心はスタジアム・ロッーク! 多彩なゲストを招いて、ダイナミック・パーティを繰り広げるのだ。
第一部、まずはメンバーだけでウクレレの弾き語り。このライヴのために製作したという「I LOVE(真っ赤なハート・マーク)DYNAMIC」とプリントされたTシャツにレイをかけたいでたちで揃って登場だ。普段よりテンション高め&レコ発でかなり嬉しそうな角森さん。うたうはオゲレツ・ソングだけれど、それは、ただただ笑いを狙ったものではない。先にも書いたように、一度聴いたら二度と忘れられなくなり、頭の中をぐるぐる回ってしまうフレーズ。これはキャッチーなメロディに、インパクトのある言葉が絶妙のタイミングで飛び出す、極上のポップ・ソングなのだ。そういう歌を、しごく真剣に、狂気のパフォーマンスでうたうから本当におもしろいものになる。そんな角森さんと一緒にうたい、踊りながら、自分達の曲なのに思わず笑ってしまう女性陣。ゲストその1、ウクレレを持った近藤智洋さんとのセッションでは、これまた自分達の曲なのに「わー、ぜんぜん違う歌みたーい!」と黄色い歓声を上げたりもする。このライヴを、だれよりもメンバーが一番楽しんでいる。それが伝わってくるから、こちらも本物の笑いを返してしまう。ひとりウクレレを持たず、カズーなど様々な小楽器を持ち替えて参加していた舞ダイナミックさんは、バトン・トワリングで表情ひとつ変えずに会場を練り歩く妙技まで披露! このユニット、役者が揃いすぎている…。
ダイナミック・オーシャンズ+近藤智洋の第一部は大盛況のうちに幕。これだけでもかなり満足なショウだったのだが、狂喜の宴は第二部、バンド編へと続くのだ。
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report and photos by wacchy
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