buttonハンバート・ハンバート @ 京都音楽博覧会2008 (6th Sept. '08)

活動再開の狼煙は京都から

Humbert Humbert
 佐野遊穂の産休に伴い、活動を休止していたハンバート・ハンバート。それから約半年のブランクを経て、再び表舞台に戻ってきた。活動再開の場所に選んだのは、くるりが主催する京都音楽博覧会。1万3,000人が集まったというイベントのトップバッターとして登場した。

 「あたしあばずれ 尻が軽いの あたしビョーキ持ち 多分死ぬまで」。佐藤のフィドルに合わせ、佐野が満面の笑みで歌い上げたのは”街の灯”。はじめて彼らの歌を聴く人も多かったのだろう。歌詞の内容に驚いた表情を見せながらも、それは次第に笑顔へと変わっていった。眼下に広がるそんな光景を見てのことか、ハンバート・ハンバートのふたりの表情にも自然と笑みがこぼれる。京都の晴れ空の下、軽やかに再開の狼煙を上げた。

Humbert Humbert  セットリストは、最新アルバム『まっくらやみのにらめっこ』からの選曲が中心だったが、過去のアルバムからは唯一”おなじ話”が演奏された。会話のように進んでいく歌は、ときおり沈黙を交えながら物語を紡いでいく。演奏が進むにつれ、場内の空気に微妙な変化を感じた。撮影の手を休めて後方に目をやると、ついさっきまで満面の笑みを浮かべていたオーディエンスが、穏やかな表情で壇上のふたりを見つめているのだ。心地良い静けさは、会場中の誰もがふたりの歌に耳を澄ましていたからなのだろう。この後は、シニカルな詞が特徴的な”国語”、突き抜けた陽気さをもつ”おいらの船”と演奏が続く。終演に向けての盛り上がりは、カメラのファインダー越しにもひしひしと伝わってきた。

 終演後、はじめてハンバート・ハンバートを体験した知人が物販へ走ったそうなのだが、残念ながらCDは完売して手に入らなかったという。わずか5曲、時間にして約20分という短いセットではあったが、ふたりの歌はオーディエンスの元にしっかりと届いたようだ。すでにハンバート・ハンバートの音楽にのめり込んでしまっている筆者ではあるが、改めて彼らの歌には「伝わる力」があることを強く感じた。大げさに聞こえるかもしれないが、ふたりの歌は21世紀のスタンダードになりえるのではないかと密かに信じている。

 -- setlist --
街の灯 / バビロン / おなじ話 / 国語 / おいらの船
Humbert Humbert
ハンバート・ハンバート ライブスケジュール

9/28(日) 渋谷 クラブクアトロ
10/4(土) 心斎橋 クラブクアトロ
10/15(水) 新宿 red cloth(※佐藤良成のバンド、グッバイマイラブとして出演)
11/16(日) 沖縄 桜坂劇場
12/6(土) 三軒茶屋 世田谷パブリックシアター
12/7(日) 三軒茶屋 世田谷パブリックシアター
詳細はこちらでご確認ください。


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