buttonアシャ @ 京都磔磔 (5th Sept. '08)

魂の歌にやられた夜


Asa
 歌声が聴こえてきた途端、全身に鳥肌が立った。これからはじまるショーがどんなものになるのか。頭よりもまず体が反応したのだろう。バンドメンバーを先にステージに上げ、客席の後方からマイクを持ったアシャが歌いながら近づいてくる。ステージとの距離が縮まるにつれ、比例するように高まっていく会場中の期待。場内のテンションが沸点に達するとともに、アシャのステージが幕を開けた。

Asa まず歌われたのは"360°"だっただろうか。ステージのすぐ前で撮影をしていたのだが、とにかく夢中でシャッターを切り続けていたことを覚えている。抑揚の効いた歌声、訴えかけるような表情、腰をくねらせた踊り、ステージを右往左往する足取り…。そのすべてから彼女の歌が聴こえてくるのだ。カメラを持ってその場にいた自分としては、シャッターを切るという行為が、彼女の歌に応える唯一の手段と感じていたのかもしれない。

 前回の来日時は、ギターとコーラスの2名だけのアコースティックな編成だったそうだ。2度目の来日となる今回は、さらにドラム、ベース、キーボードの3名がサポートメンバーに加えられた。バンドを取りまとめるアシャの指示のもと、ときには歌に寄り添うように音を奏で、ときには個を全面に押し出したソロも展開する。だが、アシャは曲を完結するためだけの演奏を求めていなかったようにも思えた。伴奏をするギタリストの手を止めさせ、自身のボーカルのみで曲を完成させる一面もみせる。既存のアレンジにこだわらず、アドリブを織り交ぜた展開をみせるのもアシャの才能の一部といったところだろうか。

 後半になると、静かに座っていたオーディエンスが席を立ち、踊りはじめる。呼応するようにアシャのテンションも上がっていったのか、オーディエンスに共に歌うよう煽りのパフォーマンスをみせていく。ご機嫌なMCを混ぜ込みながら、どファンキーな演奏でセットを締めた。とはいえ、もちろんこの後はアンコールがはじまる。ギタリストとふたりで"Eye Adaba"をしっとりと歌い上げた後は、再びメンバーをステージに呼び寄せ、彼女の持ち歌をメドレー方式で繋いでいく。最後はオーディエンス全員が立ち上がり、スタンディング・オベーションと拍手で彼女の歌に賛辞を送った。

 良い歌に出会えた喜び。今、それを噛み締めながらこの原稿を書いている。

Asa Tour Shcedule

9/6(土) 京都梅小路公園(京都音楽博覧会)
9/8(月) 心斎橋クラブクアトロ
9/9(火) 名古屋クラブクアトロ
9/10(水) 東京 Shibuya O-EAST


Asa

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