ブリーチ @ 下北沢シェルター (2nd Sept. '08)
気づいたらこの高みに
今度は下北沢シェルターにステージを移した東京2日目。これからエレクトリック・イール・ショックと共に名古屋や関西など、東京から西の方へツアーをおこなう。こうして何度もこのバンドを観て思うことは、ブリーチは、ツアーをおこなう度に何らかの変化や成長をみることができるということだ。すでに新人とはいえないくらいキャリアを重ねている彼女たちは、一貫して激しい音楽であるという点では全くブレることがない。しかしながら、あからさまに新しい機材や音楽性を導入することがないのにも関わらず、気がついたら変化や成長を実感させてしまう稀有なバンドなのだ。
この日の一曲目は、スラッシュメタルばりのスピード感と迫力で押していく"ジョボビッチ"から始まり、トライバルなドラムが乱打される"サムライジャングル"へ、たて続けに演奏される。"サムライジャングル"の跳ねたリズムと「あーーーーっ来い!」という掛け声で一気にステージ前のお客さんたちを掴んでいく。以前と比べ、ちゃんとお客さんの方を見ながら一緒に盛り上がれるということと、激しい音を叩き付けながら演奏中に笑みを浮かべることができるようになったのは、確かな成長の跡だろう。
ミヤの「今日はお笑いのライヴを観に行きました。フットボール・アワーが大好きなんです」と脱力させるMCはいつものことなんだけども。そんなミヤがテンションが上がりまくった姿をみせてくれるのが"げっちゅー人間"で、エキセントリックさと、ユーモアと、「(人間を)意のままに操りたい」という怖さが同時に歌い込まれている。
かんながヴォーカルの"サイコキャラバン"は、妖しく、ダークなメロディを歌い上げ、セクシーなヴォーカリストとしてもアピールできるものだ。そして、ミヤによる高速チョッパー奏法のソロ、ハードコアパンク、矢継ぎ早に繰り出される歌詞、そして突如レゲエになだれ込むという、ひとつの曲に様々なアイディアをぶち込んだ"悪魔は隣"は、このバンドの到達点のひとつだろう。そして最後は、ダークに疾走する"トーチ"。音楽の持つあらゆる感情を呑み込んで突進していくような素晴らしい曲。生は常に死と隣り合わせにあることを意識して育った人たちによる音楽なのだ。
-- setlist --
ジョボビッチ / サムライジャングル / デス子 / らくしんかんたんふしあわせ / 月蝕 / げっちゅー人間 / サイコキャラバン / 悪魔は隣 / トーチ
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mag files : Bleach
気づいたらこの高みに : (08/09/02 @ Shimokitazawa Shelter) : review by nob
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