buttonア・フラッド・オブ・サークル @ 新宿ロフト (13th July. '08)

この狂おしさは一体なんなのだ!


A Flood Of Circle
 「この時期にこのバンドを見てた事、絶対に後で誇りに思うと思いますよ!」

 お笑いコンビ「ダイノジ」の一方、大谷ノブ彦が彼らを呼び込む際に、そう紹介した。ライヴを見終わった今、その言葉が凄い説得力を持って自分の胸に迫って来ている。

A Flood Of Circle この日行われたのは「KABUKI YOUNG(カブキ・ヤング)」と題された新宿ロフトの企画ライヴ。ダイノジが主催するお笑いとロックのイベント「ダイノジ・ロック・フェス(DRF)」とコラボレーションし、会場となる新宿ロフトのメインステージと、隣接したバーフロアに併設されているサブステージとでお笑いとDJ、バンドのライヴや弾き語りが異種格闘技のように同時進行で行われるイベントだ。

 メインステージを見にフロアへ入ると、ダイノジがエアギターを弾いて(?)見せたりしながら観客を沸かせ、冒頭のセリフによって彼らをステージに呼び込んだ。彼らとは、ア・フラッド・オブ・サークル。このバンドの残した残響音が、実は今も頭の中で鳴っている。

 彼らが楽器を手にして音を鳴らした瞬間、フロアの空気が突然変わったように見えた。メンバー四人が揃った時、ステージ上に独特の雰囲気が漂う。まず驚いたのは、彼らがまだ二十代になって間もない若者だという事実だ。ステージングも堂々としているし、「そんなに渋カッコ良くなるのは、十年後でよろしい!」と逆ギレしたくなるほどなのだ。

A Flood Of Circle「僕たちは何かをする時に必ず、何かを置いて来てしまいました。…なんて言っていいか分からないから、歌にしました。」

 そう佐々木が語ると、"ロシナンテ"が演奏され始めた。確かに渋カッコ良いだけじゃない。ボーカルの佐々木の絞りだすような歌声はぶっきらぼうなのだけど、でもどこかセンチメンタルで、切実に心に響いて来る。鳴らされる音も硬派なのにどこか繊細で、歌詞と歌声にばっちりハマっている。なんだろう、この感覚。こういうの、胸キュンって言うんじゃないのか。後ろで見ていた男の子がボソッとつぶやくのが聞こえる。「カッコえ。」だって。

 この日のイベントでは、バンドとしての演奏の他に、ボーカルの佐々木の弾き語りを隣のサブステージで見る機会があった。ソウル・フラワー・ユニオンの"満月の夕(まんげつのゆうべ)"やフィッシュマンズの"いかれたBaby"などのカヴァー、自身のバンドの"ブラックバード"などを聴かせてくれたのだけれど、これがまたバンドとは違った良さに触れる事が出来たのだった。演奏がシンプルな分、やはりこの歌声は強力だと再確認。この狂おしさはなんなのだ、そんなに急に心の中に切り込んで来ないでくれぇ、とドキドキさせられてしまった。

 さらに驚かされるのは、彼らがまだ完全に自分たちの才能に気付いていなさそうなのである。これからどれだけ成長した姿を見せてくれるのか、本当に想像もつかない。そして、楽しみで仕方がないのだ。
A Flood Of Circle
report by jet-girl and photos by sam
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A Flood Of Circle ライヴスケジュール
08/08/04 (水) 新宿REDCLOTH -紅布-
08/08/22 (金) 新宿LOFT
詳細はこちらでご確認ください。

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buttonこの狂おしさは一体なんなのだ! : (08/07/13 @ Shinjuku Loft) : photos by sam
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button未来につながるメロディー : (08/05/29 @ Shimokitazawa Shelter) : photos by terumi
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buttonロックンロールの引力 : (08/03/06 @ Shimokitazawa Shelter) : review by satori, photos by saya38
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