ギー @ 代官山ユニット (18th May '08)
"レコンキスタ" ツアー
ツアーファイナル、次へのステップ
「今日は奇跡の夜なので」
近藤と深沼がMCで冗談まじりにそう話していたけれど、冗談ではなく、今日のライヴはどこか特別な空気があった。それぞれのフィールドで活動し、半端なく忙しい4人が集まり、バンドになったこと、結成から1年で2枚のアルバムを作り、全国10ヵ所を回るツアーを行ったこと、多くのファンに囲まれた素晴らしい環境で、今、ツアーファイナルを迎えていること。考えてみればそれらすべてが奇跡のような気がするけれど、なにより、代官山ユニットの明るい照明の下、ステージに立っている4人が音で繋がれるメンバーであったこと。それが一番の奇跡なのだと思う。
「怒濤のように過ぎたこの1年のことがいっぱい頭に浮かんできて…。レコンキスタ・ツアーのファイナルなんだけど、ここまでのギーの集大成でもあったと思う」。終演後にヒサヨがこう話してくれた。そうそう、思い起こせば、初ライヴは2007年5月13日、ちょうど1年前だ。その時の印象は淡々とシャープな音を出す「大人のロック」で、激しいといっても大暴れとかはなさそうだな、というものだった。実際、幾度かのライヴ、2度のワンマンを終えてもそのイメージはあまり変わらなかった。しかし、4月の下北沢公演をスタートに、この1カ月でギーは大きく変貌していく。いままでの完成度に結束と予測不能の展開力が加わり、太く大きく、面白味のあるバンドになった。演奏することで成長していった持ち曲を全部+新曲1曲を披露するワンマン、ツアーファイナルで、ここまでの変化と歴史も見せていった。
「バンドもオレ自身も変わったツアーだった。これまでは『ギーっぽくやらなくちゃいけないかな』と思って遠慮していた部分があったけど、それがなくなった」と語ったのはセンターに立つ近藤だ。これまでともっとも変わったことといえば、近藤が後半に見せるようになった大激走だろう。深沼が日記で"コンドーエクスプロージョン!"と表現していたままに、ステージを飛びだして、バンドの熱をフロアにまで投下するパフォーマンス。「このツアーからは、やってやろう! と思っていたし、みんなも『いいね!』っていってくれたから」。このファイナルでも、ステージを降りて広いフロアの真ん中をつき進み、今日このときにしか出せない感情を爆発させた。
「こういう会場でもワンマンができることを証明できた。ファイナルだけど、次への第一歩です」と深沼が自信を持って話していた。その言葉どおり、大きい会場が本当によく似合うバンドになった。高い天井、豪華な照明、広いフロアとたくさんのお客さん。それに負けない4人の存在感。すべてがフィットして今日のライヴになっている。一音ごとにこちらに迫ってくるような一体感であっというまに中盤まで駆け抜けたとき、この空間にいられることが気持ち良くて、ステージを見上げながら「あー、終わって欲しくないな」と心から思った。
"Cheers for the sun"の気持ちを昂ぶらせるギターのイントロが流れると、そこからはラストスパート、体裁も何も気にせず突っ走るだけ。いつもは冷静に、ステージの一番後ろから安定したリズムを送るヤナも、この時ばかりは熱くなっている。「最後はもう、余力を残さないくらいまでできた」とはライヴ後のコメントだ。ステージもフロアも一緒になって螺旋を上っていくような音楽の渦の中、本編は幕を閉じた。
アンコールで近藤が「ベース弾いたり、ドラム叩いたり、ギター弾いたりしながら、こういう場所を探しているんだと思います。"Perfect place"」と曲紹介をした。このツアーはバンドが完璧に近づくための旅だったのかもしれない(「完璧になった」とは言わない。それだと次がない気がするから)。ギーを追って全国を回り、一番感じていたことは、ひとつのライヴをクリアするごとにバンドが確実にステップアップしていくことだった。3回目のアンコールで「ツアーが終わるのが名残惜しいから、もう1回最初からやります」と、頭にやった2曲をもう一度演奏したのだが、スタートとアンコールではすでに見え方がぜんぜん違う。やればやっただけ良くなっていくこの法則で行くと、次はもっとすごいものが見られるということだ。中盤では「終わって欲しくない」と願ったけれど、そう考えれば終わることは悪くない。「終わりが始まり」とは誰がいった言葉だろう。レコンキスタ・ツアーのファイナルは、次のステージへのスタートとなった。
-Set list-
1.Runaway pigeon bus/2.Lucifer/3.New world/4.If the moon don't rise/5.Fancy vendetta/6.The winter road/7.Devil's Menuett/8.Without your heart/9.Once and never again/10.No knock/11.Never snuff the lights/12.Loop road #8(新曲)/13.Alright/14.Swallow/15.My imagination/16.Cheers for the sun/17.Can't hug a hater/18.The last chord
-en1-
1.Perfect place/2.Beautiful stungun
-en2-
Timeless
-en3-
1.Runaway pigeon bus/2.Lucifer
"Reconquista" TOUR盛況御礼
スペシャル・アンコール公演決定!!
【GHEEE / Special Unplugged LIVE】
6月8日(日)@渋谷Eggman
豪華3本立て仕様
・近藤智洋(弾き語りLIVE) ・深沼元昭(弾き語りLIVE) ・GHEEE(Unplugged LIVE)
*詳細はオフィシャル・サイトでご確認ください。

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mag files : Gheee(ギー)
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photo report : (07/05/13 @ Simokitazawa Club 251) :review and photos by wacchy
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