シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック
@ クラブ・アカデミー、マンチェスター (15th Apr. '08)
ダンス・パーティーズ・ツアー
ぶ厚くなった。ちょっと汗臭さを感じるくらいの男らしいバンドになった。それでも、もちろん繊細さはそのままだ。こんなにもたくましくなっているなんて予想していなかっただけに、うれしい驚きだった。
今年の2月から3月末にかけて、ザ・キュアーのヨーロッパ・ツアーで前座を務めたことが、いい影響を及ぼしている。目に見えない「自信」が確実にそこに存在するのを強く感じた。本人たちがどの程度そのことを意識しているのかなど尋ねる余地はなかったが、言葉にしなくても見ている側には伝わっているはずだ。しっかりした基礎と柱を備えた建設中の家がようやく立派な梁(ハリ)を手に入れた、そんな印象を受けたのだから。
5月から6月末までザ・キュアーのアメリカ・ツアーに再び同行する彼らが、オフを取ることなくイングランドとヨーロッパの数カ国を周るのは、4月7日にシングル"The Distant and Mechanized Glow of Eastern European Dance Parties"を発売したからでもある。アルバム『ザ・デズトラクション・オブ・スモール・アイデアズ』からのシングル・カットとは言っても、"ディスタント"と"メカナイズド"というふたつヴァージョンに分けられて新しい曲として生まれ変わっている。ライブではそのふたつが絶妙の流れで披露されていた。
今回のマンチェスター公演は、マンチェスター・アカデミーの中でも地下にあるクラブ・アカデミーが会場。キャパシティーとしては決して大きいとは言えないが、アカデミー3と同じくらいなのではないだろうか。
それにしても相変わらずここの観客はとても熱い。オープニングは"Some Techno"と題されたエレクトロ・ビートで、すぐに"Retreat! Retreat!"へと流れていくため、のっけから暴れまくるキッズ続出となる。やはりこの曲が一番盛り上がるのはどこでも同じ。セットの頭に持ってくることがこれほど効果的だというのは、コアなファンが多い証拠だろうか。
なぜかこの日は"Radio Protector"が終わったところで前座の2バンドのメンバーがステージに乱入し踊り始めた。そうなってしまうと、もはや観客の側も抑えていたものが一気に爆発。最後の曲"A Failsafe"では、ギターリストのひとりも客席に飛び込みクラウド・サーフ。その後はどんどん観客がステージに上がり、カオス状態に。ひとえに「暴れる客」と言っても、やはりここの人たちは他都市のそれと少し違う。終演後の彼らの笑顔がたまらなく幸せそうなのだ。思わずこちらもほっこりした気分になる。宿までの長い夜道のことも忘れてしまうくらいに。
ザ・キュアーの前座としてだけでなく、その合間に自らの公演も挟む過密スケジュールのアメリカ・ツアーを終えると、さらに一層成長するであろうことは今は容易に想像できる。今後たとえどんな方向で進んで行こうとも、その真摯な姿勢は今までと変わることなく、素晴らしいライブ・バンドであり続けてくれることであろう。さて、そんな彼らの姿を再び日本で見られる日は、一体いつやって来るのやら。
|
--setlist--(原文のまま)
Some Techno / Retreat / Await Rescue / Arabic / Default This / Unlearn / Primer / Japan / 65? / Another Code / Dance Parties (M) / Dance Parties (D) / Radio Protector / D & B / A Failsafe
|
|
report and photos by miyo
|
|
2008
フォト・レポート : シベリアン・ニュースペーパー (18th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
ダンス・パーティーズ・ツアー : 65デイズ・オブ・スタティック (15th Apr. @ クラブ・アカデミー、マンチェスター)
週末の幕開けは : リズMC (11th Apr. @ ロイヤル・フェスティヴァl・ホール、ロンドン)
凄いの最上級 : ジョン・バトラー・トリオ (5th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ
日本初上陸は世界仕様で : ロドリゴ・イ・ガブリエラ (30th Mar. @ 渋谷デュオ・ミュージック・エクスチェンジ)
MCとは : リズMC (15th Mar. @ ラティチュード 30、オースティン)
BBQでBSP : ブリティッシュ・シー・パワー (15th Mar. @ ブラッシュ・スクエア・ノース・テント、オースティン)
淡々と : ローラ・マーリング (14th Mar. @ ナインティ・プルーフ・ラウンジ、オースティン)
今回一番の掘り出し物 : エルダー (14th Mar. @ スモーキン・ミュージック、オースティン)
あれから5年 : ボディー・オブ・ウォー (13th Mar. @ スタッブス、オースティン)
ちょっとだけのはずが : ビリー・ブラッグ (13th Mar. @ SESAC デイ・ステージ・カフェ、オースティン)
ニュー・スキッフル : ジョニー・フリン・アンド・ザ・サセックス・ウィット (12th Mar. @ ザ・モホーク、オースティン)
もしや、常連? : ザ・ナイトウォッチマン (12th Mar. @ エスターズ・フォリーズ、オースティン)
行動し続ける男 : ザ・ナイトウォッチマン (12th Feb. @ 心斎橋クラブクアトロ)
輝きを増して : ブンブン・サテライツ (10th Feb. @ 難波ハッチ)
ライブ・バンドですから : シベリアン・ニュースペーパー (6th Feb. @ 南堀江ネイヴ)
CD review シベリアン・ニュースペーパー :"コミカル・サルート" (29th Jan.)
2007
こんなDOJOもアリだな : エクストリーム・ザ・ドージョー Vol.19 (28th Nov. @ 心斎橋クラブクアトロ)
フォト・レポート : シベリアン・ニュースペーパー (18th Nov. @ 南堀江ネイヴ)
新作発売はもうすぐ : ブリティッシュ・シー・パワー (1st Nov. @ フェズ・クラブ、レディング)
復活するには遅すぎない : デイヴィー・グレアム (31st Oct. @ タウン・ホール、ハイ・ウィッカム)
インストものの楽しみ方 : ゴッド・イズ・アン・アストロノウト(30th Oct. @ バー・アンド・キッチン、ロンドン)
グッバイ2007 : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (28th Oct. @ レモン・グローヴ、エクセター)
YMSSからYouthmoviesへ : ユースムーヴィーズ (27th Oct. @ ザ・ゾディアック、オックスフォード)
カンタベリー・フェスティヴァルにて : セス・レイクマン (25th Oct. @ マーロウ・シアター、カンタベリー)
高架下にて : テ (20th Oct. @ 大阪福島ライブ・スクエア セカンド・ライン)
次章の序 : シベリアン・ニュースペーパー (19th Sep. @ 梅田シャングリ・ラ)
大阪、初ワンマン : 中山うり (31st Aug. @ 梅田シャングリ・ラ)
CD reviewゴッド・イズ・アン・アストロノウト
:"ファー・フロム・レフュージ" (15th Aug.)
ガラス張りのカフェにて : シベリアン・ニュースペーパー (8th Aug. @ 神戸カフェ・フィッシュ)
神戸Varit3周年記念ライブにて : シベリアン・ニュースペーパー (21st July @ 神戸ヴァリット)
ラスト・ストップ : デイヴ・マシューズ・バンド (30th May @ ウェンブリー・アリーナ)
モノクロ、メタル : ロドリゴ・イ・ガブリエラ (28th May @ カーリング・アカデミー・リバプール)
これが、アイシス : アイシス (26th May @ コーポレーション)
ザ・ミリマー・ディザスター : ザ・ミリマー・ディザスター (14th May @ バーミンガム・アカデミー2)
ザ・デストラクション・オブ・スモール・アイデアズ・ツアー : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (14th May @ バーミンガム・アカデミー2)
旬のものは旬のうちに : ザ・マカビーズ(6th May @ マンチェスター・アカデミー2)
光と音の洪水の中で : ジ・アーリー・イヤーズ(4th May @ ザ・ウインドミル、ロンドン)
CD review シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック :"ザ・デストラクション・オブ・スモール・アイデアズ" (25th Apr.)
三者三様 : ドン・キャバレロ (24th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
また来たのと言うなかれ : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (25th Mar. @ 渋谷クラブクアトロ)
一度は見ておくべきもの : コンヴァージ (12th Mar. @ 心斎橋クラブクアトロ)
オオサカ発、セカイへ : シベリアン・ニュースペーパー (2nd Feb. @ 梅田シャングリ・ラ)
贅沢なひととき : キャレキシコ (24th Jan. @ 心斎橋クラブクアトロ)
|
|