ギー @ 渋谷 オー・ネスト (23rd Jan '08)
今、ギーが求めるスピードで
3月12日にセカンド・アルバム『レコンキスタ(Reconquista)』をリリースするギー。結成から1年で、ファーストを出し、ツアー、ワンマンもやって、もう2枚目のアルバムが完成と、まるで生き急ぐかのような早さで突き進んでいる。この勢いを、Vo.近藤が「これが、今ギーが求めているスピードなのかもしれない」と称していたが、その速度はこの日のライヴにも現れていた。曲のテンポとか尺の問題ではなく、体感速度や脳内時間として「速い」ライヴだった。
1月7日にあった年明け1本目のライヴ同様に、この日も頭からセカンド・アルバムに収録される曲を持ってくる。イベント出演なのに新曲スタート、このあたりの度胸というか度量には圧倒されてしまう。完成したアルバムの良さを見せたいという自信の現れだろう。暴力的に強い深沼のヴォーカルから、内側の熱さを感じる近藤のサビへと続く"ランナウェイ・ピジョン・バス"から始まって、"ルシファー"、"ニュー・ワールド"と新曲3連続で一気に走っていく。いつ観ても完成度の高い演奏を見せてくれるバンドだけれど、新曲をやっても、おそろしいほどの安定感。しかも最初の2曲はライヴでの披露は2回目。それで、ここまでの仕上がりを見せられると、音源で聴くとどうなるのか待ちきれない気持ちになってくる。そして、音源を聴いたらきっとまた、ライヴで観たくなるのだろう。
"ビューティフル・スタンガン"、"タイムレス"とストレートに攻める曲と、コーナーを巧みに攻略するような変拍子。巧妙にコントロールされたステージに、会場の揺れ方も大きくなり、腕を振り上げて踊るファンの姿も観られた。こういうシーンがもっともっと増えていいと思う。
いっそ「マニア」といってもいいくらい超絶した深沼のギター・プレイに、長い髪を揺らし、しなやかに動きながら重厚なリズムを刻むベースのヒサヨ。唯一無二の歌をうたうヴォーカリストと、どんな曲でも自分たちのリズムに変えてしまうドラマー。個性のかたまりのようなメンバーが集まっているにも関わらず、それがばらばらに突出するのではなく、"ギー"というひとかたまりの個性になっている。2枚のアルバムをつくったことで強まった一体感、そして求めるスピードの速さ。2008年、ギーはさらなる高みを目指して走っている。これについていくのはかなりの気合いがいりそうだけれど、ついていって間違いはない。4月には東京を皮切りに全国ツアーが始まる。
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report and photos by wacchy
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