buttonGossip / OOIOO
@ Shibuya O-East (20th Dec '07)

- Gossip - 女の塊


Gossip
 会場に着いたときには、OOIOO(オー・オー・アイ・オー・オー)が演奏中だった。ヴォアダムスのドラマーのヨシミがギター&ヴォーカルで、他のメンバーも女性の4人組バンドだ。ヴォアダムスのライヴは聴く者をヤバイ気分にさせるような強烈なものであるけれども、OOIOOは、どこかホンワカして観ていて楽しくなる。ヨシミの叫びや発声で言葉にならない歌で、同じフレーズを繰り返してトランスぽく盛り上がる。ギターのカヤノが「キェーーーッ!」と顔を上げて舌を震わせて叫んだときに、『嗚呼!! 花の応援団』を連想して笑ってしまった。

Gossip そして、ゴシップ。ステージに登場したのは、ベス・ディットー(ヴォーカル)、ブレイス・ペイン(ギター/ベース)、ハナ・ブリリー(ドラムス)の3人。ベスははち切れんばかりの巨体をピンクのワンピースで包み、蛇柄のタイツを履いているという姿。履いていた靴は途中で脱いで放り出してしまった。彼女が歌い始めると、全てのものをなぎ倒すような迫力で会場を制してしまう。もしかしたら多少の打ち込みの音があるかもしれないけど、基本的に音が出ているのはギター(もしくはベース)とドラムの2つだけという最小限なものである。だけど、ベスの声の迫力によって音の物足りなさを全く感じさせない。自身の体を生かしたパワフルで伸びやかなベスの声は、目をつぶって聴くとまるでアレサ・フランクリンが降臨しているかのようだ。音楽がパンクであるだとか、ダンスとかそんなものは関係なく、その声はまさしくソウルとしか言いようのないものである。

 むしろ、この最小限の楽器が醸し出す空気が乾いていてシンプルであり、ベスの声を引き立たせるための引きの美学を感じさせる。最小の楽器編成で、ダンスもパンクも意識しているガレージという点では、ホワイトストライプスあたりと共通しているけども、もっとスタイリッシュである。その一方で、ベスは大阪で覚えたらしい「オオキニ!」を連発して親しみやすいところをみせる。まあ、ゲップとかもお構いなくマイクを通してしまうのだけど。"Listen Up!"の前にはトーキング・ヘッズの"Psycho Killer"を歌ったり、アンコールでは、ワム!の"Careless Whisper"をカヴァーしたりとサービス精神もある。ワム!のカヴァーは、同じセクシャル・マイノリティーであるジョージ・マイケルへのシンパシーからという面もあるだろうけど。

Gossip 本編最後でニルヴァーナの"Smells Like Teen Spirit"を歌ってから"Standing in the Way of Control"のイントロが始まったところが、この日のクライマックスだった。お客さんも大歓声を上げた。ベスはフロアに降りていって熱唱、お客さんたちも「オー、オウオウオー」とコーラスで応える。ベスの持つアーティストパワーのすさまじさを感じる。それは、彼女の魂が塊となって会場にいるひとりひとりへ向けて放たれるようであった。

 終演後、CDを買うと、サイン会の整理券をもらえたので、列に並ぶ。並んでいるのはやっぱり女の人が多い。自作のイラストとかを用意している人もいた。そして、順番が回ってくると、思いの丈をベスに語り、握手のみならずハグをしていた。おれはハグは遠慮させてもらったけど、「I enjoyed your stage very much」と直前に教えてもらった単語を並べると、「サンクス、あなたは隅のほうで観てたわね。私見えたのよ」と英語で答えてくれた。確かに自分は隅の方で観ていたのだ。

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