カイザー・チーフス @ アールズ・コート、ロンドン (15th Dec '07)
年忘れ音頭でヨヨイ
万人受けする、という表現には二重の意味が含まれていて、良く言えば間口が広く様々な人に好まれ易い、裏を返せば没個性、ということにもなる。音楽、絵画といった芸術面においてはよく耳にする言葉だが、だから褒め言葉とも、逆に皮肉っぽくも受け止めてしまえるいやらしさがある。カイザー・チーフスというバンドも、特にこういう括りで形容されることが多く、実際彼らのその親しみ易いキャラクターこそが幅広い年齢層に支持される人気の所以だし、国民的レヴェルで知名度が上がっても、それにふんぞり返ってアーティスト気取りするでもなく、逆に観るたんびに金持ち太りで顔周りがふくよかになってゆくフロントマンのリッキィを筆頭にしたメンバーの飾らない佇まいも好感が持てる。加えてメジャー・デビューするまでの長き苦労話という背景まで知ってしまえば、例え曲調がマンネリであったとしても、カイザーももう終わったね、などと冷たくあしらわれない気持ちになぜかなってしまうのだ。
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ニュー・アルバムを発表、怒濤のフェスティヴァル出演、精力的な世界ツアーと今年も休む事無く突っ走って来たカイザー・チーフス。満員のお客さんで沸くここ、アールズ・コートでの公演も二夜連続、完売御礼と相成った。演ずる規模が変わっても、昔から変わらない彼らの情熱いっぱい、ひたむきさ全開なライヴ・パフォーマンスは、いつでも観る側を巻き込んで楽しい空間を作りあげる。よくある5人編成のバンドで、特別に演奏が上 手いわけでも美男子揃いというのでもない。でも、ヴォーカルのリッキィの盛り上げ上手な明るさを始めとしたバンド全体の華やかさが、アーティスティックなそれとは違う、寧ろ身近によくいる人気者のお兄ちゃん達、というイメージとして観る者を惹き付け、単純に往復されるメロディ、とりとめの無い歌詞という分かり易い曲の数々もまた、聴く人を選ばずにして浸透しうる彼らの魅力だろう。最初に話したように、今夜もまた、ティーンから子供連れの家族まで、ごくごく普通の人達が彼らと一緒に歌ったり、ビール片手に踊ったり。
観客と常に同じ目線で一緒になって楽しもう、という気持ちが伝わってくる心温かいカイザー・チーフスのステージングは、神々しさとは真逆であり、演じ手に、一般の世界とは異なる存在感を求める様な人にとっては、ありふれた大衆迎合バンドにしか見ないかもしれない。自意識過剰な思春期のロック少年が夢に描く様な憧れのロック・スターでは無いかもしれない。でも、それでもカイザー・チーフスは沢山の人達に愛され、フェスティヴァルを筆頭にした圧倒的なパフォーマンスでいつでも観衆を沸かせている。これからも変わらぬ勢いを維持していく事ができるのかは誰にも分からないけれど、長く、太く生きて欲しいバンドだ。
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report and photos by kaori
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2007
近未来の戦士達 : (07/12/06 @ ブリクストン・アカデミィ、ロンドン ) : review and photos by kaori
ゴス壇場の帝王 : (07/12/05 @ ウェムブリィ・アリーナ、ロンドン) : review and photos by kaori
隠れ最強ロック : ザ・ハイヴズ(23rd Nov. @ ハマースミス・アポロ、ロンドン)
身近なプリンセス : ケイト・ナッシュ(13th Nov. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
結束したバンド力 : ザ・ナショナル(8th Nov. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
秋の夜長はシンズがいい : ザ・シンズ(7th Nov. @ ハマースミス・アポロ、ロンドン)
今を燃やし尽くせ : エンター・シカリ(6th Nov. @ ブリクストン・アカデミィ、ロンドン)
現役に勝る者無し : ザ・シャーラタンズ(5th Nov. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
醒めない夢のひとときよ : ルーファス・ウェインライト(31st Oct. @ ハマースミス・アポロ、ロンドン)
飾り気無しの痛快ロック : ザ・クリブス(17th Oct. @ フォーラム、ロンドン)
四次元グルーヴ : バトルス(11th Oct. @ ココ、ロンドン)
グレイ・ゾーンを脱却して : エディターズ(8th Oct. @ ブリクストン・アカデミィ、ロンドン)
大所帯カントリィ : ザ・ニュー・ポルノグラファーズ(4th Oct. @ ココ、ロンドン)
現代版、グラム・ロック : ザ・ダンディ・ウォーホルズ(3rd Oct. @ エレクトリック・ボールルーム、ロンドン)
痙攣ギターの暴走は止まらない : フォールズ(2nd Oct. @ スカラ、ロンドン)
食らえ、ライオット : ギャロウズ(26th Sept. @ エレクトリック・ボールルーム、ロンドン)
おしゃべりさえも歌になる : ファイスト(24th Sept. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
マイノリティの救世主 : ザ・ゴシップ(14th Sept. @ フォーラム、ロンドン)
どうした!?ゴー!チーム : ザ・ゴー!チーム(12th Sept. @ エレクトリック・ボールルーム、ロンドン)
せつなさは、直立不動ロックと共にあり : ザ・ジーザス・アンド・メリー・チェイン(7th Sept. @ ブリクストン・アカデミィ、ロンドン)
健全・安全・好青年 : アスリート (5th Sept. @ HMV、ロンドン)
やんちゃな成犬、余裕のラスト : ザ・ストリーツ (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
ロックンロールでいいじゃない : ダーティ・プリティ・シングス (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
乗らずにいられぬこの挑発 : エム・アイ・エイ (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
ポジティヴは勝つ : ザ・ゴー!チーム (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
ブレーメンの音楽隊 : ザ・ランブル・ストリップス (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
一発屋の彷徨 : ジ・オートマティック (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
絡んでも、絡み足りない : フォーワード・ロシア (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
詩人がバンドを組んでみたら : アート・ブルート (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
燃える地球の裏側 : ボンヂ・ド・ロレ (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
あまたのバンドと何が違う? : ザ・ウォンバッツ (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
日向で爆発、陽のパワー : ピーター・ビョーン・アンド・ジョン (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
可愛いだけじゃあ、だめなのよ : ライロ・カイリィ (20th Aug. @ イズリントン・アカデミィ、ロンドン)
宵を彩るファンタジスタ : シザー・シスターズ (26th Jul. @ ジ・オートゥ、ロンドン)
悲しくても泣けない時がある : ブライト・アイズ (4th Jul. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
暴れん坊がゆく! : ノイゼッツ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ワンダーワールドはキリの良い所までが丁度良い : ミーカ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
叫ぶなら中身を詰めよ : ザ・ホラーズ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
陽気で緻密なサウンド・マジック : ザ・ゴー!ティーム (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
大団円はもらった : ザ・ゴシップ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
夢見る頃は過ぎない : パトリック・ウルフ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
極めずに進み続ける野心 : ザ・クークス (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
辿り着いたメッカ : クラクソンズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
夜を制した男 : イギー・アンド・ザ・ストゥージズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
旬に乗ったらどこまでも : CSS (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
不思議少女のラビリンス : バット・フォー・ラッシィズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
洗練されしお茶目心 : ルーファス・ウェインライト (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
紳士の奏でる狂奏曲 : モデスト・マウス (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
血は雨よりも濃く : ザ・クリブス (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
純粋なる純白 : ブライト・アイズ (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ソウルが無くても昂るの? : ブロック・パーティ (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ビョークがビョークである所以 : ビョーク (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
楽団と狂騒 : アーケイド・ファイア (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
腐った魚は食えない : ジ・オートマティック (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
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