button Peelander-Z @ Shibuya Yaneura (7th Dec. '07)

ステージとフロアに壁なんかない


Peelander-Z
「何なんだ!?」。ピーランダーZのライヴの様子をピタリと焦点を合わせて、言葉で切り取るのが難しい。このバンドについては、このインタビューを先にみてほしい。ピーランダーZは、ニューヨーク拠点にアメリカをベースに活動する日本人3人組のエンタメ・パンクバンドである。この日の渋谷屋根裏はピーランダーZの7年ぶり、日本でのライヴを、同じく海外での経験豊富なバンドであるエレクトリック・イール・ショックがホストになっておこなわれた。他には、ロケット・ジャック・ヴェイダース、メタルチックス、つしまみれ、エド・ウッズもステージに立った。ゲストとなるピーランダーZがトリである。

Peelander-Z 何といいますか、こうした音楽もお笑いも、てんこ盛り状態になっているバンドは表現するのが難しいものだ。MCでも何度か笑わせてもらったけど、それを文字に起こして眺めてみても、リアルタイムであの場でないとダメだよなぁと感じる。テレビでお笑い芸人のフリートークを文字に起こしても、その面白さを伝えきれないこともあるのと同じだ。たぶん、ピーラーンダーZは、ライヴが始まる前から自分たちの空気を作っていって本番が始まると一気に世界ができあがっていて、その中でお客さんを楽しませようとすることを意識してやっているバンドなんだと思う(しかも、あんまりお金をかけずに)。だから、このレポートの結論としては「観ろ、そして体験しろ」だ。丸腰でアメリカに渡って鍛え上げられたコシの強さを十分に感じることができる。

 音楽的には一応パンクということになる。それぞれ黄色、赤、青の衣装の3人組が演奏したり、いろんな芸を繰り出してくる。単にステージにいる人が演奏して、お客さんがそれを聞くという図式ではなく、金属の食器とスティックを配ってお客さんたちをステージに上げてに叩かせ「カン、カン、カン」という音が鳴り響くように、いろんな手を使ってお客さんを巻き込んでいくのである。拍手やコール&レスポンスだけでなく、それから一歩踏み込んで、お客さんにも参加させたり、すぐステージ降りてフロアに乱入したりと、バンドとお客さんとの壁をなくしていこうと頑張っているのは、すごく伝わる。

Peelander-Z クライマックスで、この日に出演した「つしまみれ」のメンバーにギターを渡し、お客さんの女の子をステージに引っ張り上げてベースを持たせ、メタルチックスの吉村(元DMBQ)にドラムを任せるように、それぞれ別の人に演奏させて、当のメンバーたちはフロアで人間ボウリングに興じるというシーンを見てあまりのカオスぷりに笑いと興奮が渦巻いて、この訳のわからない状態をフェスティバルと呼ぶのかなと思ったりもする。

 さらには、アンコールで、「僕らは音楽を提供するバンドじゃないんで」と、ひとつ前に出たエレクトリック・イール・ショックのメンバーを呼び寄せて、彼らに演奏させるという前代未聞の怪挙!? アンコールを他人にやらせるって、どんだけ〜! ついにはこの日に出たバンドのメンバーをステージに集めて盛り上がっている様子を見れば、このめちゃくちゃで、いい加減なことが(でも、楽しませることに関してはマジ)、アナーキーであり、自由であり、そこにもっともらしい言葉をかぶせるとすり抜けてしまう混沌としたおかしさが、このバンドなんだなと感じたのである。

Peelander-Z
なお、写真は12月4日の新宿マーズ公演で撮影したものを使用しています。

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