ザ・ゴー!チーム @ 渋谷クラブクアトロ (4th Dec. '07)
ハッピーの向こう側を見せてくれた
上手いか下手かで線を引いたとしたら、お世辞にも上手いとは言えないかもしれない。それでも、このパワフルで、エキサイティングで、情熱溢れる音を何と言えばいいんだろう。とか、考えてみても、もう単純に素晴らしかった。正味の話、感動的でさえあったのだ。ザ・ゴー!チームのライブを見た何も考えない率直な感想。結構時間が経ったはずの今でも、ニヤニヤが止まりません。
デビュー作、"サンダー・ライトニング・ストライク"がマーキュリー・プライズにノミネートされるなど、地元イギリスで高い評価を得たザ・ゴー!チーム。初見は2年前のフジロックのホワイト・ステージだったが、勢いに溢れた肉体的な演奏に圧倒され、なんかとんでもないものでぶん殴られた気分に陥ったものだ。そんな彼等、3年振りの2作目、"プルーフ・オブ・ユース"を引っさげての来日ツアー。世間の期待も相まって、会場のクラブ・クアトロは立錐の余地もないぐらいの人の数だった。そんなオーディエンスに応えるようにバンドも気合が入っていた。最初から最後まで途切れることなく放電しっぱなし。それにつられるように会場のボルテージがグングンと昇っていく様は実に圧巻そのものだった。
メンバーの構成がナイジェリア人、日本人も込みの多国籍軍団というだけあって、音の手触りはかなり雑多なバンドだが、ライブではそれに輪をかけてクラッシュしている。パートなんて言葉は全くの蛇足で、ギターもドラムも関係ない。メンバーが入れ替わり立ち替わり楽器を持ち替えての演奏を続けていく。これが、メンバーのマルチな才能を見たというより、子供が楽器で遊んでいるような印象の方が強く、実に面白かった。その辺はしっかりと演奏にシンクロしていて、彼等が撒き散らすハッピーな空気の過剰さはこの辺にあるんじゃないかと思う。ちゃんとパートを固定した方が、技術もバンドとしての音も、クオリティが上がるのは分かりきっている。だけど、優先順位はそうではない。楽しくなくちゃ意味がないとでも言っているかのような演奏だった。
そんな雰囲気そのままにひたすら続けられる演奏は、当然ライブ的なフィジカルなニュアンスも伴って、フロアにでっかい開放感を作り出す。決して、こなれているわけでもないし、芸達者な印象も受けなかった。それでも、自分達しか持ち得ない雑食性であったり、ポジティブな信念を、しっかりと咀嚼し、消化し、もう一度解き放つという気概を存分に感じた。何に捕われる事もないそんな姿勢や信念がこのバンドの一番の肝なのだろう。だからこそ、グイグイと前進するパワーが会場全体を包み込んだのだ。
ジャンルにしろ、何にしろ、ただただ細分化されていってしまう世の中で、時々路頭に迷いそうになってしまう。この日の、ゴー!チームの演奏には、「そんなものは一回おじゃんにしてさ」という勢いとうねりを感じた。それは、実に痛快で愉快な時間だった。そこから生まれてくるとてつもないポジティブな空気感。これほど、芯の強いポップミュージックはなかなか聞けないのではないか。終演後、家路に急ぐ人達の笑顔が何よりもその事を物語っていた。
やっぱりこんな時代にこんな音楽を聞けるのは幸せの一言に尽きます。正味の話で。
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*なお、写真は翌日の心斎橋クラブクアトロ公演のものを使用しています。
report by sakamoto and photos by ikesan
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