ハリス @ 下北沢 クラブ・キュー(25th Nov. '07)
この勢いはツアー・ファイナルへと続く!
すごい熱気だ……。会場に入った瞬間に感じたこの空気、コートを抱え込んだ腕あたりまで汗ばんでくるような熱さ! 視覚的に表現するなら、赤い光でビカーッと照らされているような。ステージもフロアも最初からこの状態ってすごい。セカンド・アルバム、"New World"をひっさげてのワンマン・ツアー3本目。東京でのハリスは初っぱなから飛ばしていた。
それにしても、クラブ・キューのステージはこんなに狭かっただろうか? ほとんどMCもなく、引き締まった顔で突っ走るVo.アキラの存在がいつもより大きく見える。そのヴォーカルをしっかり支えるBa.ユウジ、普段どおりコミカルなキャラクターでお客さんを笑顔にするG.セイジ。それぞれがビシッと役割を果たして、ステージを、フロアをいっぱいにしている。それに、フロント3人の後ろでものすごくいい顔をしてドラムを叩く高橋浩司! この人の表情が豊かなら豊かなほどいいライヴの証拠(これはピールアウトの時から変わっていない)。この日は当然、百面相のごとく、くるくると表情を変えていた。
前半から中盤にかけて、まったく勢いが途切れない。それはスローな曲が入っても同じことで、むしろその勢いのまま、歌の中味が倍くらいになって伝わってくる。ハリスのライヴは楽しい。それが軸になっていることは確かだ。だけど、ただそれだけじゃない。鋭くて、カッコ良くて、感動的で、楽しい! 4月の初ワンマンから7カ月。たくさんの道を歩いたり走ったりしながら、そういうライヴができるバンドになったのだ。それを受けて、満員のお客さんの反応が大きくなっていたことはいうまでもない。後半にやった新曲"Pop製Bus"(ハリスのテーマで、ファースト・アルバム、自主イベントのタイトルにもなっている「Pop Save Us(ポップ・セイヴ・アス)」とかけている)は曲名からもわかるように、彼ららしい遊び心が満載。まるでディズニーランドみたいだ。これを聴いたら大人も子供も女子も男子も踊りだす。始めに会場で生まれた熱はさらに温度を上げて駆け抜けていった。
本編の15曲が終わった後、「アキラ、アキラ!……セイジ、セイジ!……ユウジ、ユウジ!……コウジ、コウジ!」とループしていくという、異例のアンコールが。メンバーひとりひとりが愛されてるなー、と実感した出来事だった。
2回のアンコール含めてあっというまの全18曲。時間は長くなかったけれど、充実感は十分過ぎるほど。最後はもう、いいライヴすぎて泣けてきた。今のハリスは観るたびに進化している。その姿を目撃できるツアー・ファイナルは12月14日札幌ベッシーホールで行われる。
ハリス ワンマン・ツアー '07
"ニュー・ワールド" ファイナル
12月14日 札幌ベッシーホール
*詳細はオフィシャル・サイトでご確認ください。
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report by wacchy,photos by hoya
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