ブンブン・サテライツ @ 両国国技館 (22nd Nov. '07)
どすこい、夜の国技館
両国国技館といえば、相撲の殿堂である。そこでクラブイベントなんて、それだけで興味が掻き立てられるものだ。しかも、早割チケットは2000円、さらに大好きなブンブン・サテライツが出るとくれば、行かなきゃいけないでしょ、とばかりに速攻でチケットを取ったのだ。
750個のLEDが入った提灯とか、ちゃんこが食えるという前情報にワクワクさせられた。以前、ポール・ウェラー率いるスタイル・カウンシルがこの国技館でライヴをやったと記憶しているけど、こうしたオールナイトのクラブイベントは初めてではないかと思う。ま、相撲の世界もいろいろあるんで、建物を遊ばせておくよりは何かしら稼いでいた方がいいのでしょう。
当日は仕事を終えて、そのまま電車で両国へ。会場に着くと、すでにたくさんのお客さんがいる。まずはビールを飲みながら場内ウオッチングを開始。建物の外にはケータリングの車も並び、フェス気分が出ている。でも食の横綱は何と言っても場内のカウンターで出されるちゃんこ(500円)だった。白衣を着たおじいさんがやっていたので、由緒正しいちゃんこなんだと思われる。だしの効いた醤油ベースのスープに豊富な具が入ったものでかなり旨かった。腹も満たされたところで、メインフロアへ。
天井を見上げれば、吊り屋根も優勝額もそのまま残っているところにミラーボールや照明のヤグラが設置されている。さらにたくさんの提灯がぶら下がっていて、LEDによってさまざまな色に変化しながら光る。土俵はどこかに格納されて平になったところがフリースタンディングのフロアになっている。周りの桝席はマッタリと眺めながら音を楽しむことができる。自分も早いうちに場所を確保して、座ったり、寝っ転がったりしながらHIFANA(ハイファナ)やDJ KRUSH(DJクラッシュ)を観ていた。だんだんお客さんが増えていって、ブンブンサテライツが始まる23時前ころには満員御礼状態になっていた。
ブンブン・サテライツが"Easy Action"の音を出したとき、朝青龍が金星を献上してしまったときに匹敵すると思われる歓声が上がった。そして桝席も総立ち状態になった。アルバム『Exposed』の発売なので、新曲中心のセットリストである。こうしたイベントで取りあえずなんでも盛り上がってしまうお客さんたちが多いということもあるけど、新曲でもすさまじく盛り上がる。新曲はさらにロック色を強くしたような感じがする。
ブンブン・サテライツのディストーションをかけたギターと迫力ある生ドラム、ボトムを支える中野のベース、そしてそれらをパワーアップさせ、熱狂を加速させる電子音が一体になって音の塊を作り出す。それに合わせて踊りまくっているフロアを桝席から眺めると壮観だった。ステージ前はモッシュで押し合い、ダイヴァーたちはステージ前の柵に押し出され、送り出され、"Moment I Count"の激しい盛り上がりで、ついには柵が決壊してしまった。主催者がステージに出てきて、柵をなおすためにライヴは一時中断。98年のフジロックでミッシェルガン・エレファントのことを思い出す。ここでテンションが下がっても仕方ないのだけど、再開してラストの"Dress Like An Angel"で立て直しライヴを締めくくった。
チケット代も安かったし、桝席で観ていたのであまり疲れないし、提灯の演出は面白かったし、ちゃんこは旨かったし、ブンブン・サテライツのライヴもよかったし、と十分楽しんで、自分は終電で帰ってしまったのだけど、後から聞くと終電がなくなった頃から、お客さんのマナーや主催者の仕切りの悪さで、さまざまなトラブルが起きていたようで、残念なイベントになってしまったようだ。国技館をクラブイベントとして使うという発想は面白かったし、今回を教訓として、またこのようなイベントをやって欲しいと思った。
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