ゴッド・イズ・アン・アストロノウト
@ バー・アンド・キッチン、ロンドン (30th Oct. '07)
インストものの楽しみ方
サード・アルバム『ファー・フロム・レフュージ』の発売にともない、10月中旬から欧州ツアーに出ていたアイルランド出身のバンド、ゴッド・イズ・アン・アストロノウト。ポルトガル、スペイン、ベルギー、ドイツ、オランダを周ってイギリスへ。そのツアー最終日がこのロンドン公演だった。
アルバムのレビューでも触れたのだが、自分自身、今まで何度かライブを見る機会を惜しいところで逃してきたバンドである。高まる期待が不安と緊張に変わりつつある中、ようやくたどり着いた番地にあったのはカフェというかレストランというか、なんともオシャレな店。ライブ会場らしきものはない。
思い切って中に入ってみると、やや奥まったところにある黒いカーテンの向こうに、外観からは想像できないような広めのライブ・スペースが存在していた。前座が終わる頃にはかなりの客が集まってきており、早くも大盛況と言っても良いかのような空気が漂う。
想像していたよりもかなり大柄だったドラマー、ロイドの叩き出す音の重さはこの場にやって来てみて納得。だが、彼の音は、迫力だけでなく、どことなく繊細さも兼ね備えている。ギター、キーボード、コンピューターとヴォーカルを担当するトローステンはとても忙しそう。ヴォーカルと言っても歌詞があるわけではないのだが、アルバムで聞こえていた「声」は彼のものだったのだとここに来て初めて知った。マイクは彼の前に1本置かれているだけなので、MCはもちろん彼の担当となる。シューゲイザーとも形容されることのあるサウンドではあるものの、演奏している姿は、トローステンもベースのニールズも、よりヘヴィーな音楽のバンドの動きに近い。
バック・ドロップの映像は、時折重いものもあるものの、押しつけがましい主張の強すぎるものとまではいかない。そうした映像を見るも良し、目を閉じて聴き手の脳裏に各自が描きだす世界を映し出すも良し。
ほとんどの客が、体を揺らしながらも、じっくりと聴き入っている様子。ちょっと酔って騒いでいる人には容赦なく冷たい視線が浴びせられる。次の曲のイントロが流れてくると、特に、代表曲ともなると、会場には「うれしさのあまり思わず声が出てしまいました」かのような反応が沸き起こる。どれほどみんなこの日を待ち望んでいたのだろう。私の想い入れなど彼らには到底及ばないのかもしれない。思わずそんなことを考えてしまった。インストゥルメンタルもののライブでこうした雰囲気を味わったことはあまりない。
2度のアンコールに応えた彼らをさらにステージに留まらせてなかなか帰そうとしない観客。おそらく予定はすっかりオーバーしていたのだろうが、それでも急遽もう1曲演奏してくれたバンド。アルバムがどれもしっかりと作り込まれているせいなのだろうか、聴くだけならば、ライブとスタジオ作品との差はそれほど大きくないように感じられた。しかし、こうした観客の温かい反応こそが、ナマならではのもの。
やっとの思いで見ることのできた彼らのライブ。爆音で度肝を抜かれたり、大感動するというものではなかったが、音楽を大切にしている人たちの優しい笑顔に出会えた結果となった。
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2007
新作発売はもうすぐ : ブリティッシュ・シー・パワー (1st Nov. @ フェズ・クラブ、レディング)
復活するには遅すぎない : デイヴィー・グレアム (31st Oct. @ タウン・ホール、ハイ・ウィッカム)
インストものの楽しみ方 : ゴッド・イズ・アン・アストロノウト(30th Oct. @ バー・アンド・キッチン、ロンドン)
グッバイ2007 : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (28th Oct. @ レモン・グローヴ、エクセター)
YMSSからYouthmoviesへ : ユースムーヴィーズ (27th Oct. @ ザ・ゾディアック、オックスフォード)
カンタベリー・フェスティヴァルにて : セス・レイクマン (25th Oct. @ マーロウ・シアター、カンタベリー)
高架下にて : テ (20th Oct. @ 大阪福島ライブ・スクエア セカンド・ライン)
次章の序 : シベリアン・ニュースペーパー (19th Sep. @ 梅田シャングリ・ラ)
大阪、初ワンマン : 中山うり (31st Aug. @ 梅田シャングリ・ラ)
CD reviewゴッド・イズ・アン・アストロノウト
:"ファー・フロム・レフュージ" (15th Aug.)
ガラス張りのカフェにて : シベリアン・ニュースペーパー (8th Aug. @ 神戸カフェ・フィッシュ)
神戸Varit3周年記念ライブにて : シベリアン・ニュースペーパー (21st July @ 神戸ヴァリット)
ラスト・ストップ : デイヴ・マシューズ・バンド (30th May @ ウェンブリー・アリーナ)
モノクロ、メタル : ロドリゴ・イ・ガブリエラ (28th May @ カーリング・アカデミー・リバプール)
これが、アイシス : アイシス (26th May @ コーポレーション)
ザ・ミリマー・ディザスター : ザ・ミリマー・ディザスター (14th May @ バーミンガム・アカデミー2)
ザ・デストラクション・オブ・スモール・アイデアズ・ツアー : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (14th May @ バーミンガム・アカデミー2)
旬のものは旬のうちに : ザ・マカビーズ(6th May @ マンチェスター・アカデミー2)
光と音の洪水の中で : ジ・アーリー・イヤーズ(4th May @ ザ・ウインドミル、ロンドン)
CD review シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック :"ザ・デストラクション・オブ・スモール・アイデアズ" (25th Apr.)
三者三様 : ドン・キャバレロ (24th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
また来たのと言うなかれ : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (25th Mar. @ 渋谷クラブクアトロ)
一度は見ておくべきもの : コンヴァージ (12th Mar. @ 心斎橋クラブクアトロ)
オオサカ発、セカイへ : シベリアン・ニュースペーパー (2nd Feb. @ 梅田シャングリ・ラ)
贅沢なひととき : キャレキシコ (24th Jan. @ 心斎橋クラブクアトロ)
2006
ザブトン席にて : シベリアン・ニュースペーパー (17th Dec. @ ヘップ・ホール)
圧巻のツアー・ファイナル : モグワイ (12th Nov. @ リキッドルーム恵比寿)
光と音 : モグワイ (11th Nov. @ 新木場スダジオ・コースト)
轟きとどよめき : モグワイ (8th Nov. @ 難波ハッチ)
ライブ治癒力 : ミステリー・ジェッツ (4th Nov. @ 心斎橋クラブクアトロ)
コラム バック・カタログ : アレクシス・コーナー(31st Oct.)
CD review ジ・アーリー・イヤーズ :"ジ・アーリー・イヤーズ" (25th Sep.)
東名阪 : ザ・フューチャーヘッズ (6th Sep. @ 渋谷オー・イースト)
まったりと : ザ・フューチャーヘッズ (5th Sep. @ 名古屋クラブ・クアトロ)
温度差なんて : ザ・フューチャーヘッズ(4th Sep. @ 心斎橋クラブクアトロ)
初来日ライブ・レポ : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (15th Aug. @ タワーレコード渋谷店)
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