赤犬 @ 渋谷クラブクアトロ (20th Oct '07)
お下劣千本ノック
赤犬を観ていると――腕に覚えのあるミュージシャンたちが、ゲームに負け、「可能な限りのアホなバンドをやること」という罰ゲームをやり始めたところ、「きゃー」とか「気持ち悪〜」とか「変態〜」という悲鳴や罵声を浴び、生来のマゾっ気が目覚めてしまい、だんだん気持ち良くなって、調子に乗り、今に至るんじゃないか――と妄想してしまった。赤犬を語るとき、「アホ」「う○こ」「変態」という言葉を避けることはできない。アホを突き抜けて、ここまで来てしまったのだ。ここってどこ?
東京・渋谷クラブクアトロ。前座のバンドが終わり、名前は分からないけど、ヘヴィメタルの曲がずっと流れる中、セットチェンジがおこなわれる。ソールドアウトが伝えられた会場は当然のように人がいっぱいで、東京でこのバンドがソールドアウトになるなんて信じられない気持ちになる。
ライヴは、アメリカ国歌に君が代の歌詞を乗っけた"親方星条旗"から始まる。そしてヴォーカルの和歌頭アキラと弥生時代の格好をしたロビンとヒデオの2人が登場し、ホーンやバグパイプやヴァイオリンも含む大所帯の演奏になだれ込む。フロアを埋めたお客さんたちは、最初から腕を突き上げ、大きな歓声で盛り上がる。フジロックのTシャツを着ていた人がよく目についたように、フジロックの出演によって知った人も多いのだろうと推測できる。もちろん、以前から大阪のライヴハウス界隈では知られていた存在だし、フジロックに出る前から、東京でも名前を知っていた人がいたけれども、やっぱりフジの影響はでかい。
ロック、ファンク、ブギ、ジャズ、アイリッシュ、ヘヴィメタル、阿波踊り、昭和歌謡、アイドル風J−POPなど、バンドの見た目と同じように、まさにジャンルをごった煮した音楽が繰り広げられている。弥生時代の2人が「ウミサチヒコ」「ヤマサチヒコ」として漫画の『美味しんぼ』をパロディにしたようなしょーもない小芝居をしたり、後半には映画の『300』のようなスパルタの戦士のパロディやったりと、何だかよく分からないけど、あまりのアホさに圧倒され笑ってしまう。かと思えば、「咳をしても一人」という尾崎放哉の自由律俳句をパロディにして寂寥感を持ちながらも、くだらなさで笑わせるということもやっている。また、阿波踊りの囃子で「○ンコ、○ンコ〜」と合唱させたりとやりたい放題。
アンコールでは、全員がバスローブを着て登場する。あ、ロビンだけhttp://www.asahi.co.jp/oshaberi/『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』の本を股間にテープで巻きつけているのだが。そして、スクール水着を着た和歌頭アキラがアイドル風の"ズキズキ・ドキュン"を歌い、客席にダイヴする。そしてもちろん、この日のクライマックスは"U.N.C.O.〜うんこが好きです〜"でヴィレジ・ピープル風のディスコ・ファンクでフロアを踊らせ、「うん○が好きです〜」と皆振り付けも決めて、喜んでいたのだった。終わって客電が点くと、パフュームの"ポリリズム"が会場に流れた。誰の趣味だか分からないけど、この曲を持ってくるのが、かなりツボであったのだった。
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