バトルス @ ココ、ロンドン (11th Oct. '07)
四次元グルーヴ
つい先日の来日公演でもかなりの盛況ぶりが窺えたバトルス。ステージ上に際立つは無数に置かれたフット・スウィッチに、前方ぎりぎりにセットされた各楽器。ドラムが前にあることが珍しかったとつい先頃のザ・ダンディ・ウォーホル公演レポートで述べたばかりだが、これは何も彼らやシガー・ロスに限った事ではなかった。リズムを司るドラムスが前に位置する事で、よりダイナミックに音が聴こえてくる事は確かだが、このバンドに関しては、臨場感だとか、生々しさというものを超越して、全て彼らの構築する音世界にこれがあるべき姿なのだと序盤から思い知らされる事となる。
ベーシストが自ら鳴らした音をサンプリングとして、そこに徐々にその他のメンバーが音を重ねていく始まりはマグでレポートされていた展開と一緒。そこにパズルでも当てはめていくかの様に一つ一つの音とリズムが加わり、ここなのか、もう少し先なのか、と言う具合になかなか山場を迎えないサウンドスケープが時間をかけながら広がってゆく。通常よくあるポップ・ソングは古今東西問わずに先の展開が読めるものだが、バトルスの組み立てていく音にはそういったものが無縁であり、エフェクトを通して重なるヴォーカルからはリリックスそのものの重みは感じられない。じゃあ、インストゥルメント・バンドなのかと聞かれれば、確かにドラムスが先導するバンド全体の音の流れ、シンコペーションの方がより強く訴えかけてくるし、言葉で音の隙間を埋めるのならば、いっそ一部の隙も見られぬほどに打ち鳴らす音符のみで世界を積み上げていこう、とでも言いたげなメンバーの陶酔した表情や凄まじい緊張感が異質な存在感を示しているのだ。
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楽器を弾く事が好きな人、バンドの本質的な音作りにこだわる聴き手にはたまらない表現者達なのかもしれない。オーディエンスと一体になって場を盛り上げる事や、シング・アロングなぞもっての他である。彼らの演奏をじっと聴き入る人々も、ノっているというものではない。響きわたるは幾何学的なサウンド、次元を越えて奏でられるフューチャリスティックな音魂。作り込んだ計算ずくのその無機質さと、演じる彼らの汗や閉じられた瞼の裏側に漂う恍惚とした人間臭いその姿が対象的でありながらも絶妙に合体して、誰にも真似できない独自の空間を生み出した。ロックだとか、エレクトロニカ、何かに喩えて分かったようなするふりは不要だ。この音楽に耳を傾けたら、そこから未知なる体験が始まる。
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report and photos by kaori
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