button マキシマム・ザ・ホルモン @ ゼップ札幌 (30th Sep. '07)

ヘッドフォンをはずし、ライブハウスに行こう


Maximum the Hormone
 この日同行したのは、本日人生初ライブにして初ホルモンのTくん。道中テンパる彼の口からは、物販はドコだ、コインロッカーはあるのかなど、次から次にクエスチョンが飛び出す。私はそんなことよりも君の身の安全が心配だ! しかし、彼はそんな心中を知らずに無謀にも最前列を陣取っていたのである…。ライブを終えた彼の様子は後半で!

 チンコをボリボリ掻きむしりながら登場し、ほじった鼻くそをピンピン飛ばす亮くんを見るなり、あぁこりゃ今日も最高のライブを見れるんだろうなぁという予感がした。そして期待で鳥肌が立った体をどつくように“What's up, people?!”のイントロが流れると、ZEPP総ヘドバン。この広い会場の一番前はもちろん、一番後ろの端っこにいる人まで見渡す限り頭をガンガン振っている。フジロックなどだとよく、一番広いグリーンステージは、誰もいないと案外小さく感じ、オーディエンスが揃ったとたんにドデカいステージだというのがわかると言われるけれど、この日の場合は、ひどく高いテンションで一体化したお客さんたちの発する熱気と息苦しさが、会場の広さや天井の高さすら忘れさせ、「このライブハウスめちゃくちゃ狭くね?」という錯覚に陥った。そしてそのまま“包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ”になだれ込み、文字通りまさにぶった切るような音をかます。本気勝負の音に本気勝負のお客さん。フードプロセッサーの中の餃子の具みたいにグッチャグチャのモッシュの渦が人間を次々飲み込んでいく。

Maximum the Hormone   「なまらいいんじゃないかい札幌! 3本指に入るベストライブは全部北海道です!」というナヲの言葉に大歓声が上がる。いつもは白い●人に乗って北海道にやって来ていたという彼女たちだが、ご存知の通り色々あったので、今日はジャガポックルに乗ってやってきたんだってさ!そういえば今回のツアーは道内あちこち細かく回ってくれたのだが、私も参戦した苫小牧のライブハウスの空調設備は霧ケ峰(エアコン)がたった2台だった。しぬかと思った。そこまでの苦しさはないにせよ、今日のお客さんたちもみんな酸素を求めて上を向き口をパクパクしている。そんな彼らからはステージがかすむくらいモウモウとした湯気が立ち上っており、この日のライブの激しさを象徴していた。“ビキニ・スポーツ・ポンチン”では、突然ミラーボールが回り始めた。そんなまばゆい光に照らされた女子の皆さんは、すっかり眉毛もマスカラも剥げ落ちてしまっていたけれど、世界三大美女なんかより、匂い…ではなくて、臭い立つような美しさでした。

 本日最高の盛り上がりをみせたのは“シミ”。ステージからぶちかまされるケンカごしの太っとい音に、お客さんは地獄から這い上がってくる魑魅魍魎のような壮絶な顔でステージへ殴り込みをかけていた。今日はダイブが禁止だった分、不完全燃焼する人もいるのでは? と思っていたが、今にも倒れそうなギリギリの顔で大暴れしているお客さんの顔を見ていると、灰になるくらいホルモンの音で完全燃焼できたのだろうなと感じた。

Maximum the Hormone   さてさて、冒頭でご紹介したTくんですが、全身から汗を滴らせコーラを買っている彼の足からは、血が出ていました。どうだった? という質問に「最高だったス! 次も絶対行きます! 」と即答。始まる前は初ライブに緊張気味だったけれど、知らない間にこぶしが上がり、苦しいのも忘れて大暴れしていたのだそう。生の音に触れた彼は、食欲すらなくなるほどお腹イッパイになったようでした。これを機に、巻き戻しも早送りもできない生の音に生身をまかせる気持ちよさを味わう回数が、どんどん増えていきそうだなと思った。

 ナヲが「今みんなは、家でCDを聴いてるんじゃなくて、自分で歩いてライブハウスに来て本物の音を聴いているんです。」と言っていた。さぁ、ヘッドホンをはずし、ライブハウスに行こう! 

Maximum the Hormone

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"ぶっ生き返す"

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"恋のメガラバ[Maxi]"(国内盤
"ざわ・・・ざわ・・・ざ・・ざわ・・・・・・ざわ[Maxi]"(国内盤)
"ロッキンポ殺し"(国内盤)
"包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ/霊霊霊霊霊霊霊霊魔魔魔魔魔魔魔魔[MAXI]"(国内盤)
"糞盤"(国内盤)
"延髄突き割る[MAXI]"(国内盤)
"耳噛じる"(国内盤)
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