シベリアン・ニュースペーパー with モノシズム
@ 梅田シャングリ・ラ (19th Sep. '07)
次章の序
シベリアン・ニュースペーパ初主催イベント、題して「九月のシュンポジオン」。東京公演(9/17)に続いての大阪公演。会場は梅田にあるシャングリ・ラ。大阪で競演したのは今年のフジ・ロック・フェスティバル、ジプシー・アヴァロンのステージに出演していたMonocism(モノシズム)というギター・デュオ。
このイベントの詳細が発表されてから、モノシズムとはどんなバンドなのだろうかと気になり、フジ・ロックでのライブ写真を見てみた。驚いた。見覚えがある。そう、今年2月末、福島セカンド・ラインというライブ・ハウス。シベリアン・ニュースペーパーと同じイベントに出演していたバンドの中で、唯一、キラリと光る個性を持った良いバンドだなと感心したのが彼らだった。
シューゲイザーともポストロックとも言い難い彼らのサウンドを表現するに適した言葉が見つからない。今回はプロジェクターを用いた演出こそなかったものの、音と光を上手く融合させるあたりはシガー・ロスのライブでの空気感にも共通するものがあるかもしれない。
フライングVをゆるく扱いながら歌う姿はどことなく蜻蛉(かげろう)のようでありながらも、時折ふと見せる表情には鋭さもある。そんなボーカルとは対照的なもうひとりのギターリストは月を照らす太陽のよう。ベースとドラムにサポート・ミュージシャンを迎えバンド編成で行うライブには、儚さと強さが絶妙のバランスで共存しており非常に興味深い。
MCは無く、演奏時間はたっぷりと45分強。爆音一歩手前のコントラスト豊かな耳心地の良いサウンドはもう少しそのまま聴いていたいなと思わせる。機会があればまたライブで聴きたい、そんなユニットである。
セット・チェンジの間、いつものように会場内にはクラシックの定番曲"ボレロ"が流れる。そして、その音量が徐々に大きくなってくると、いよいよだ。客電が落ち、ゆっくりと赤い幕が開いていく。シベリアン・ニュースペーパーによる饗宴(シュンポジオン)の始まりである。
セカンド・アルバムのレコーディングを終えたばかりという彼ら。バンドにとって新たな章の幕開けとなるであろう今宵のライブ。一体、彼らはどこへ向かおうとしているのだろうか。
いきなり"柵から逃げ出し亡命する軍馬のはなし"からスタート。いつもなら「お約束」のようにライブ本編のラストを飾る曲である。バンド側の発表したセットリストによると正確には2曲目ということになるのだが、毎回この曲がお決まりの位置で演奏されるばかりだとおもしろくないと感じていただけに、うれしい始まりとなった。
"Walerider" "緑の手袋をした私のフィアンセ"と続き、その後は最近のライブでは聞くことはないが聞き覚えのある曲が数曲続いた。MCもほとんど無い。何かがいつもと違う。なぜ今日はこんなに古い曲が続くのだろうか。どことなく違和感を覚えた。同時に、この後はどんな展開になっていくのだろうという不安も。
|
"Kathomandu Noir"を終え、ようやくいつもの調子で曲紹介。そう、アルバムをよく聞き込んでいた観客は気付いていたはずだが(私は気付かなかった)、ここまでがデビュー・アルバム『Asiatic Spy』の再現だったのだ。まあ実際は1曲だけバイオリンが抜け、アルバム以外の曲"Lithuanian Dance"を演奏したため「完全」再現とはいかなかったのだが。
ファースト・アルバムを曲順通り演奏するなどということは、当然、節目となるこの機会であるからこそできる演出である。バンドの意図するところは私には解りかねるが、ひとつのケジメのようなものだったのだろうか。すでに次の段階へ進んだバンドの「これから」を見せて欲しかった者としては、意外な展開であったと言わざるを得ない。
とはいえ、終盤は大阪で初披露となる新曲"淡く小さなメヌエット"や"Perpetuum Mobile"も披露。古い知人と思われる客からの「やじ」も飛ぶなど、終わってみれば、いつものシベリアンらしい楽しいライブだったかもしれない。
セカンド・アルバムの発売時期はまだ未定だが、「緻密な」アルバムに仕上がる予定だとのこと。焦らずじっくり待っていようと思う。
そんな彼らはまだ年内もライブを行う予定。次回は本日の競演者モノシズムも出演する大阪版SXSWのようなイベント(?) Minami Wheel に参戦。シベリアン・ニュースペーパーは10月28日心斎橋クラブクアトロ、モノシズムは10月27日Knaveに出演予定だ(タイム・テーブル)。
|
--setlist--
Introduction / 柵から逃げ出し亡命する軍馬のはなし / Whalerider / Ma Fiancee Aux Gants Vert / Slovenian Morning / Hebrew Cupid / ボクの村は戦場だった / Lithuanian Dance / Kathomandu Noir / 淡く小さなメヌエット / Miss Silence / Perpetuum Mobile / St.Germainの殉教
--encore--
Words Robbin Talks Are
|
|
report and photos by miyo
|
|
2007
次章の序 : シベリアン・ニュースペーパー (19th Sep. @ 梅田シャングリ・ラ)
大阪、初ワンマン : 中山うり (31st Aug. @ 梅田シャングリ・ラ)
CD reviewゴッド・イズ・アン・アストロノウト
:"ファー・フロム・レフュージ" (15th Aug.)
ガラス張りのカフェにて : シベリアン・ニュースペーパー (8th Aug. @ 神戸カフェ・フィッシュ)
神戸Varit3周年記念ライブにて : シベリアン・ニュースペーパー (21st July @ 神戸ヴァリット)
ラスト・ストップ : デイヴ・マシューズ・バンド (30th May @ ウェンブリー・アリーナ)
モノクロ、メタル : ロドリゴ・イ・ガブリエラ (28th May @ カーリング・アカデミー・リバプール)
これが、アイシス : アイシス (26th May @ コーポレーション)
ザ・ミリマー・ディザスター : ザ・ミリマー・ディザスター (14th May @ バーミンガム・アカデミー2)
ザ・デストラクション・オブ・スモール・アイデアズ・ツアー : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (14th May @ バーミンガム・アカデミー2)
旬のものは旬のうちに : ザ・マカビーズ(6th May @ マンチェスター・アカデミー2)
光と音の洪水の中で : ジ・アーリー・イヤーズ(4th May @ ザ・ウインドミル、ロンドン)
CD review シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック :"ザ・デストラクション・オブ・スモール・アイデアズ" (25th Apr.)
三者三様 : ドン・キャバレロ (24th Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
また来たのと言うなかれ : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (25th Mar. @ 渋谷クラブクアトロ)
一度は見ておくべきもの : コンヴァージ (12th Mar. @ 心斎橋クラブクアトロ)
オオサカ発、セカイへ : シベリアン・ニュースペーパー (2nd Feb. @ 梅田シャングリ・ラ)
贅沢なひととき : キャレキシコ (24th Jan. @ 心斎橋クラブクアトロ)
2006
ザブトン席にて : シベリアン・ニュースペーパー (17th Dec. @ ヘップ・ホール)
圧巻のツアー・ファイナル : モグワイ (12th Nov. @ リキッドルーム恵比寿)
光と音 : モグワイ (11th Nov. @ 新木場スダジオ・コースト)
轟きとどよめき : モグワイ (8th Nov. @ 難波ハッチ)
ライブ治癒力 : ミステリー・ジェッツ (4th Nov. @ 心斎橋クラブクアトロ)
コラム バック・カタログ : アレクシス・コーナー(31st Oct.)
CD review ジ・アーリー・イヤーズ :"ジ・アーリー・イヤーズ" (25th Sep.)
東名阪 : ザ・フューチャーヘッズ (6th Sep. @ 渋谷オー・イースト)
まったりと : ザ・フューチャーヘッズ (5th Sep. @ 名古屋クラブ・クアトロ)
温度差なんて : ザ・フューチャーヘッズ(4th Sep. @ 心斎橋クラブクアトロ)
初来日ライブ・レポ : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (15th Aug. @ タワーレコード渋谷店)
踊れよ : ブンブンサテライツ (25th Jun. @ 大阪ビッグ・キャット)
デカイ声だからじゃないですよ : ソウル・フラワー・ユニオン (23rd Jun. @ 心斎橋クラブクアトロ)
撮りきれない魅力 :ベン・ハーパー & ジ・イノセント・クリミナルズ (7th Jun. @ 難波ハッチ)
CD review ジョン・ピール・アンド・シーラ :"The Pig's Big 78s" (26th May)
CD review スコット・マシューズ :"Passing Stranger" (5th May)
ウクレレとセピア色な歌声と :ジャネット・クライン (23rd Apr. @ 心斎橋クラブクアトロ)
CD review アレクシス・コーナー :"kornerstoned" (19th Apr.)
レディオ・プロテクター・UK ツアー2006 : シックスティーファイブ・デイズ・オブ・スタティック (06/03/03 @ Sheffield The Leadmill and 06/03/04 @ Manchester Academy 3)
半年後調査 : ジ・アーリー・イヤーズ (5th Mar. @ バー・アカデミー・バーミンガム)
気負うことなく : NMEアワーズ・ショー 2006 feat. ナイン・ブラック・アルプス、ザ・ロングカット、ウォルフマザー (24th Feb. @ ロンドン・ハマースミス・パレ, ロンドン)
|
|