ザ・ゴー!チーム @ エレクトリック・ボールルーム、ロンドン (12th Sep. '07)
どうした!?ゴー!チーム
グラストにしろ、ゲット・ローデットにしろ、今年の野外フェスティヴァルで目にしたザ・ゴー!チームの迫力、楽しさは圧倒的なものだった。体ごとフルに攻め込む気合いの入った演奏と、ヴォーカル、ニンジャのポジティヴなラップは彼らの音を聴き、目でその躍動感を体験し、飽く事無くまたこのバンドを観に来たい!と思わせるくらい、彼らの活きの良さを感じた。待望のセカンド・アルバム『プルーフ・オヴ・ユース』も前日にリリースされ、この日を楽しみにしながら今日まで待っていた会場のファン達からすれば、今夜もまた思いっきり弾けた彼らのパフォーマンスを期待しないわけがない。
だがしかし、立ち上がり序盤から、え、どうしたの? と思わずにはいられないほど機材のトラブルが発生。どうにかそれを拡散して誤摩化せるような広い会場ではないこのライヴ・ハウスでは、後ろで聴けば聴くほどその歪なノイズがこちらの神経を逆撫でしてしまう。ノイズ・ギターもファンキィなベースラインも何もかもが一つのでっかい騒音にしか聴こえず、それがニンジャのラップを掻き消してしまっている。体制を立て直し、縦ノリで盛り上がる観客にも助けられ、バンドはなんとか中盤の"ジュニア・キック・スタート"あたりから、本来のキレと快活さを取り戻し始めた。ホーン・セクションと2台のドラムのぶつかり合う壮大なスケールのインストルメントであり、ファースト・アルバムでも後半の盛り上がりに繋がるゴー・チーム色満載のこの曲にはグラストで肝のど真ん中を打ち抜かれたほどの衝撃を受けたほどだ。だのに、今夜はその時と同じ感動が呼び起こされなかった。
アーティストだって人間だもの、本調子じゃない時だってある。足や腕にサポートをはめながら、それでもパワーを振り絞って歌い、楽器を鳴らすゴー!チームのひたむきさ、ポジティヴな表現力は彼らならではの味だし、それを観るこちら側もそこから新たなパワーをもらって一緒に踊ろう、歌おうとはしゃぎたくなる。ただ、ここでは痛快!というまでのそんな双方の一体感は生まれなかった。新作ではドラムスのチィがヴォーカルをとった、無垢でわらべ歌のように微笑ましい楽曲や、ファンファーレなどのサンプリング音やブラスがより一層炸裂するリズミカルなチューンが彼らの成長を存分に伝えている。曲は揃った。くすぶったなら、また巻き返せばいい。こんなで終わるゴー!チームなんかじゃない。
-- setlist --
Flashlight Fight / Panther Dash / Wrath of Marcie / The Power Is On / Fake ID / Grip Like A Vice / A Version of Myself / Junior Kickstart / Keys To The City / Bottle Rocket / Everyone's a VIP To Someone / We Just Won't Be Defeated / Huddle Formation / Titanic Vandalism
-- encore --
Doing It Right / Ladyflash
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report and photos by kaori
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2007
どうした!?ゴー!チーム : ザ・ゴー!チーム(12th Sept. @ エレクトリック・ボールルーム、ロンドン)
せつなさは、直立不動ロックと共にあり : ザ・ジーザス・アンド・メリー・チェイン(7th Sept. @ ブリクストン・アカデミィ、ロンドン)
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やんちゃな成犬、余裕のラスト : ザ・ストリーツ (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
ロックンロールでいいじゃない : ダーティ・プリティ・シングス (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
乗らずにいられぬこの挑発 : エム・アイ・エイ (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
ポジティヴは勝つ : ザ・ゴー!チーム (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
ブレーメンの音楽隊 : ザ・ランブル・ストリップス (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
一発屋の彷徨 : ジ・オートマティック (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
絡んでも、絡み足りない : フォーワード・ロシア (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
詩人がバンドを組んでみたら : アート・ブルート (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
燃える地球の裏側 : ボンヂ・ド・ロレ (26th Aug. @ クラッパム・コモン・パーク、ロンドン)
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可愛いだけじゃあ、だめなのよ : ライロ・カイリィ(20th Aug. @ イズリントン・アカデミィ、ロンドン)
宵を彩るファンタジスタ : シザー・シスターズ(26th Jul. @ ジ・オートゥ、ロンドン)
悲しくても泣けない時がある : ブライト・アイズ(4th Jul. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
大団円はもらった : ザ・ゴシップ(24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ワンダーランドはキリの良い所までが丁度良い : ミーカ(24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
叫ぶなら中身を詰めよ : ザ・ホラーズ (24th Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
夜を制した男 : イギー・ポップ・アンド・ザ・ストゥージズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
夢見る頃は過ぎない : パトリック・ウルフ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
不思議少女のラビリンス : バット・フォー・ラッシィズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
旬に乗ったらどこまでも : シーエスエス (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ビョークがビョークである所以 : ビョーク (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
洗練されしお茶目心 : ルーファス・ウェインライト (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
腐った魚は食えない : ジ・オートマティック (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
辿り着いたメッカ : クラクソンズ (23rd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
紳士の奏でる狂奏曲 : モデスト・マウス (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
血は雨よりも濃く : ザ・クリブス (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
純粋なる純白 : ブライト・アイズ (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
ソウルが無くても昂るの? : ブロック・パーティ (22nd Jun. @ グラストンバリー、ピルトン)
胸に巣食うよ、インディ病 : ザ・ピジョン・ディテクティヴス (30th May @ HMV、ロンドン)
指先の革命 : DJクラッシュ (27th May @ ココ、ロンドン)
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かくも熱き音魂 : コールド・ウォー・キッズ (21st May @ ココ、ロンドン)
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壊れたおもちゃ箱 : ディアフーフ (2nd May @ ココ、ロンドン)
命短し、踊れよ乙女 : キャンセイ・デ・セイ・セクシィ - シーエスエス (23rd Apr. @ アストリア、ロンドン)
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