ロドリゴ・イ・ガブリエラ @ カーリング・アカデミー、リバプール (28th May '07)
モノクロ、メタル
ロドリゴ・イ・ガブリエラのことを初めて知ったのは2003年のあるフェスティヴァルに関連した放送を聞いていた時のこと。あれからいつの間やら老若男女問わず愛される存在になっていたこのアコースティック・デュオ。ロンドンではシェパーズ・ブッシュ・エンパイアを3日間ソールド・アウトにしてしまう人気ぶり。そのうちの2日間のチケットを早々と購入していたにも関わらず、諸事情により見逃してしまった。だが、同時に他都市でも見てみたいという当初からの計画通り、リバプールにおいて彼らライブを初体験してきた。ロンドン公演の様子は知人の報告を受けて前もって知っていたため、いちいち驚くことなく鑑賞できたのだが、ステージ上にはロドリゴとガブリエラふたりだけ、しかも、アコースティックなギターだけであれだけの人々を熱狂させてしまうのだから、やはりすごい。
彼らの音楽に関してはこちらのアルバム・レビューを参考にしていただく方がよいだろう。会場には本当に幅広い年齢層の様々な人々が集う。いかにもメタルが大好きだということを全身でアピールしているような若い男の子たちから、その子たちの祖父母かと思われるような老夫婦まで。しかも、何度か彼らのライブを経験している人の割合が高いと思われる。それゆえ、盛り上がり方も凄まじい。
今回、いくつかのバンドのライブを見た後ではあるが、日本も英国もそれほど違わないな、という印象を受けることが多かった。だが、この日は違った。ライブ中に「ここじゃなきゃこれは無理だろう」と感じた瞬間というのは今までに一度だけあるのだが、今回で二度目だ。初めてのその瞬間は2002年のガンズ・アンド・ローゼズのライブ。'リブ・アンド・レット・ダイ'をロンドンのベイ・エリアにある大きな会場の観客全員が初めから終わりまで大きな声で歌っているのを聞いた時。そして今回は、ピンク・フロイドの'ウィッシュ・ユー・ワー・ヒア'をイントロが鳴った瞬間から歌い始めたのを聞いた時。当然、ロドリゴ・イ・ガブリエラの音楽はギターを弾くだけのイントゥルメンタルな音楽なので、彼らと一緒に歌うというのではない。生演奏のカラオケというよりは、どこかのフットボール・チームの応援歌のようにすら聞こえた。どう見ても10代前半の子どもも、メタルしか興味ないぞ風なキッズも、大人もみんな、フル・コーラスで歌うのだ。もちろん曲は知っているが、そこまで歌えない自分がなんだか恥ずかしくすら感じた。
「セットリストを作ってその通りにやるのは退屈だからさ、何か聞きたい曲はないか?」とロドリゴが言うと、各々一斉に大声でやって欲しい曲名を叫ぶ。他のバンドの曲のフレーズを彼がちょっと弾くと、彼が止めた後もその小節まるごと歌っている(叫んでいる)キッズ。それを見たロドリゴも思わず苦笑い、というよりも、うれしそう。ガブリエラはというと、ギターを弾きながら、同時にギターを叩いてパーカッションも兼ねてしまうというのはおそらく知られていることだろう。彼女が高々と手を上げる時はいつでもメタル・ポーズ(?)だ。あまりのかっこよさに思わず見惚れてしまう。
ステージの上にはふたりともにMC用のマイクが置かれてある。だが、それ以外にもそれぞれに2本のスタンドが。何なのだろうと気になっていたが、その正体はライブが始まると明らかになった。どうやら先に付けられているのは小型カメラ。各々の手元をアップで2方向から撮るものだ。後方のスクリーンに実際その場でのライブの映像が映し出される。時にひとりだけ、またある時にはふたり分。白黒の映像だったり、ブルー・カラーの映像だったり。共にモノクロな感覚が非常に美しい。実際はものすごく早弾きであるはずなのに、まるでスローで見ているかのよう。ギター・キッズではないので、手元を見てもさっぱりそのすごさは自分には分からないが、シンプルなのにとても効果的なその演出は、ただただ美しいとしか言いようのないものだった。
来月には巨大なウェンブリー・スタジアムでミューズの前座を務め、今年のグラストンバリーにも出演するという彼ら。たったふたりでも、おそらく広大な空間をあっという間に自分たちの色で塗りつくしてしまうことだろう。
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2007
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モノクロ、メタル : ロドリゴ・イ・ガブリエラ (28th May @ カーリング・アカデミー・リバプール)
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2006
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