buttonヨレヨレ in ワン・ラヴ・ジャマイカ・フェスティヴァル、
代々木公園 (19th May '07)
ヨレヨレの旅 - ジャマイカ・フェス編

 今年に入り、数多くの野外イベントに出演を果たしているYoLeYoLe(ヨレヨレ)。この日は代々木公園で行われた「One Love Jamaica Festival(ワン・ラブ・ジャマイカ・フェスティバル)」にその姿を現した。天気はあいにくの曇り空だったが、ラスターカラーのファッションや麻の服に身を包んだ「いかにも」といった風貌の人が多数集まった代々木公園は、その名の通りジャマイカ一色の空間と化していた。。

 ステージには左から赤、黄、緑とラスタカラーの並びで布が垂らされ、真ん中の黄色の布にはさらにボブ・マーリーの絵、ジャマイカの国旗が吊されている。ステージ下には水色のスピーカーで形成されたサウンドシステムがあり、フェスティバルの雰囲気を盛り上げていた。ステージ前は見事にガラガラ。遠巻きにスピーカーから鳴らされる音を聴く者の姿が多く見られる。

MCの紹介を受けメンバーが登場すると、ステージ前にぞろぞろと人が集まり始めた。中には持参のレジャーシートごと移動する者もいる。ヨレヨレを初めて見るオーディエンスも多かったのだろう。1曲目、"星降る橋"が始まっても大声で会話を続ける集団もいた。外見から察するに、いわゆるダンスホールの音を欲していたのだと思う。そんな中でも静かに、そしていつも通りのスタイルで演奏を続ける。食い入るように演奏を見る者、横になってを眺める者、鉄柵にもたれている者…。様々なオーディエンスがステージを見つめる。

 Bob Marley(ボブ・マーリー)の"Redemption Song(リデンプション・ソング)"のカヴァーはライブではお馴染みになっている。"星降る橋"を終えると「私たちの尊敬するボブの曲をやります」とナオのMC。この日のオーディエンスならではというべきか、Bob Marleyの曲に敏感に反応しているように見えた。続いてヨレヨレのオリジナル曲、"じゅうたん"。曲中には同じくボブ・マーリーの"Stir It Up(ステア・イット・アップ)"のフレーズを混ぜ込む。演奏開始直後は興味無さそうに見ていたオーディエンスも次第に耳を傾け始める様子が伺えた。オーディエンスの関心度はそのまま拍手の大きさにあらわれる。曲を追うごとに大きくなる拍手は見ている側にも気持ちの良いものだ。

"じゅうたん"がフェードアウトし"大調和"へ。小気味よく刻まれるマンドリンの音色とその下でコードを鳴らされるギター、ナオのスキャットにはエフェクトがかけられる。素朴な音色たちは広がりをみせ、ヨレヨレの音が大きなステージにも映える存在感をまとっていく。小さな会場でのライブが多い彼らだけに代々木公園のステージは少々大きすぎるかも…と勝手な心配を抱いていたが、その心配は無用だったようだ。

およそ30分、4曲という短いセットで幕を閉じた。ライブ後、ステージ裏へと行くと車に機材を詰め込むメンバーの姿があった。これから違うイベントに出演するため、早くも移動準備をしているのだという。昨年は100本近いライブをしたというヨレヨレだが、その旅はどうやら今も続いているようだ。慌しく過ぎていく時間の中を自分たちのペースで楽しむ姿が印象的だった。空を見上げるといつの間にか太陽と青空が顔を出している。夏の苗場、こんな天気の下で彼らの姿を見たいなぁと、ふと思った。


-- setlist --

星降る橋 / リデンプション・ソング / じゅうたん / 大調和
report by funabashi
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