buttonクラクソンズ
@ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン (18th May '07)

グロウスティックの震撼


Klaxons
 360度何処を見渡しても蛍光ライトで光る会場。カラフルでキッチュなファッションで決め、そのグロウスティックを体に巻き付ける女の子、ぶらぶらと振りかざす男の子。ジェット・コースター規定ギリギリ程度の背丈の子供達が大人に同伴され、ここシェファーズ・ブッシュを占拠している。クラクソンズがステージに現われたと同時に沸き起こる悲鳴やら歓声はそんな若いパワーも相まって半端じゃない。2月のインディ・レイヴ・ツアー時の光景が鮮やかに甦ったが、とにかく狂騒と、瞬間の興奮。これこそが、まさに現在の英国のヤング達が熱狂する「今」の音楽、ニュー・レイヴなのだ。

Klaxons  観客皆総立ちで一発目の"ザ・バウンサー"が始まると、闇を照らすのはステージ上のライトではなく、おびただしい数のグロウスティック。激しい身の昂りに任せたオーディエンスがステージに振り投げるそれらが、まさに彼らクラクソンズのギグを象徴している。不穏な空襲サイレンの音に、サイファイめいた超自然なサウンド・スケープ。歌詞の内容も恋愛やら友達やらの日常からは程遠い不可思議なもので、一体何故にこうまでして若人の心を捉えるものかと思う。しかしながら、"アズ・アヴァウブ・トゥ・ビロウ"、"マジック"らのファン大合唱のアンセムは、彼らの魔術的リアリズムに対するインスピレイションに基づいているもので、そこから放たれるノイズの片鱗に光るメロディそのものは殊の外キャッチィだし、高低音が綺麗に重なったハーモニィも恐いくらいに綺麗だ。その複合的アプローチと鬼気迫った世界感が、今までの既存のジャンルに上手くはめられずして斬新だとこれだけ多くの注目を浴びているのだろう。

Klaxons 地震と違わないほどに会場を揺らすオーディエンスのエナジィもとてつもないし、モッシュに乱れ狂うフロアの温度はサバンナをも凌ぐほど。曲間を大きく取って、我を忘れてノりまくり、歌う観客の熱気を更に煽るクラクソンズのパフォーマンスも堂々としたもので、驚異のサブカルチャーと表現するのが一番しっくり来る。ルックス然り、サウンド然り、3年後にも同じスケールを維持しているかは疑問だが、今目にしているのは確実に新たなシーンの一幕であることに間違いは無い。CDを手にして、ライヴに足を運ぶ価値のあるバンド。いずれ未来の恥ずかしコレクションに収まることになっても、彼らのこのギグを一度でも体感すれば、思い出は決して後悔させない。

-- setlist --

The Bouncer / Atlantis To Interzone / Hall Of Records / Totem On The Timeline / Golden Scans / Forgotten Work / As Above, So Below / Two Receivers / Magick / Gravity's Rainbow / It's Not Over Yet /encore / Isle Of Her / Four Horsemen of 2012

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buttonグロウスティックの震撼 (07/05/18 @ Shepherds Bush Empire, London) : review by kaori, photos by Darjeeling
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button大波に乗れ! : ザ・マッカビーズ (17th May @ アストリア、ロンドン)
button嵐を呼ぶ男 : ザ・レモンヘッズ (16th May @ ココ、ロンドン)
button虎穴に光る虎児の牙 : プル・タイガー・テイル (11th May @ プラウド・ギャラリィ、ロンドン)
button娯楽なロックは裏切らない : マキシモ・パーク (10th May @ アストリア、ロンドン)
button壊れたおもちゃ箱 : ディアフーフ (2nd May @ ココ、ロンドン)
button汗くさメタルよ、さようなら : ロストプロフェッツ (23rd Apr. @ HMV、ロンドン)
button腹に響くぜ、ロックン・ロール : ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ (18th Apr. @ アストリア、ロンドン)
button大人しいのは見せかけさ : ピーター・ビョーン・アンド・ジョン (15th Apr. @ ココ、ロンドン)
button金の卵探しはオール・ナイトで : ザ・ナインティーン・ハンドレッズ、ジャック・ペネイト、グッド・シューズ、ビッフィ・クライロ (13th Apr. @ フォーラム、ロンドン)
button行儀良く聴きたい夜には : ジョアン・アズ・ポリス・ウーマン (12th Apr. @ スカラ、ロンドン)
button眠れぬ森の王子 : パトリック・ウルフ (11th Apr. @ アストリア、ロンドン)
button裸の俺様 : レイザーライト (8th Apr. @ アールズ・コート、ロンドン)
button耳を肥やせ、インディ・ファンよ : リトル・マン・テイト (5th Apr. @ アストリア、ロンドン)
buttonあと、もう一歩 : マキシモ・パーク (4th Apr. @ HMV、ロンドン)
button泣く子も黙るライヴ天国 : フォール・アウト・ボーイ (2nd Apr. @ ハマースミス・アポロ、ロンドン)
button二枚目の分かれ道 : ザ・レイクス (31st Mar. @ ブリクストン・アカデミー、ロンドン)
buttonボヘミアン・ラプソディ : ゲット・ケイプ・ウェア・ケイプ・フライ (30th Mar. @ フォーラム、ロンドン)
button失われぬ青春ポップス : ザ・シンズ (28th Mar. @ フォーラム、ロンドン)
button ジャンル無法地帯警報 : エンター・シカリ (21st Mar. @ HMV、ロンドン)
button加速するエモ・ポップ特急 : キッズ・イン・グラス・ハウジーズ (17th Mar. @ ココ、ロンドン)
button天才とセンティメンタリズム : ブライト・アイズ (16th Mar. @ ココ、ロンドン)
button音楽が音楽であるために : ジ・アワーズ (15th Mar. @ KCL、ロンドン)
button踊るインベイダー : ザ・レイクス (12th Mar. @ HMV、ロンドン)
button怒れるスコッツ : ビッフィ・クライロ (9th Mar. @ HMV、ロンドン)
buttonフィヨルドの咆哮 : マンドゥ・ディアオ (7th Mar. @ KCL、ロンドン)
buttonお茶の間バンドの平均美学 : カイザー・チーフス (2nd Mar. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
button妖女の夢は夜ひらく : ハウリング・ベルズ (25th Feb. @ ココ、ロンドン)
button闘う女王様 : ゴシップ (24th Feb. @ アストリア、ロンドン)
button密色の調べ : デューク・スペシャル (21st Feb. @ ULU、ロンドン)
button天使の微笑み、悪魔の囁き : レジーナ・スペクター (16th Feb. @ アストリア、ロンドン)
buttonCD買うより観においで : ザ・ホロウェイズ (14th Feb. @ ココ、ロンドン)
button賢者の演奏 : クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー (13th Feb. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
button真冬のカーニヴァル : ラーリキン・ラヴ (12th Feb. @ ココ、ロンドン)
button僕らの音がグラマラス : スウィッチーズ (9th Feb. @ ココ、ロンドン)
button弾いて、歌って、踊っちゃう : オーケイ・ゴー (4th Feb. @ ココ、ロンドン)
button暴れん坊少年、見参 : ジェイミーT (24th Jan. @ アストリア、ロンドン)
button大人のメロディ : セブン・フォー・セブンス (23rd Jan. @ ザ・ボーダーライン、ロンドン)
button音も人も青春まっただ中 : ザ・ヴュー (22nd Jan. @ HMV、ロンドン)


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