buttonロストプロフェッツ @ HMV、ロンドン (23rd Apr. '07)

汗くさメタルよ、さようなら


Lostprophets
 インターネットでロストプロフェッツと検索すれば、まず間違い無く目にするであろうイケメン・バンド、美形揃いの文字。それだのに彼ら、やっている音はばりばりのハードコアということで、メタル系のジャンルとしては異例の音良し、顔良しという、実に天は二物級の扱いを受け、ロックを愛するヤング・キッズから、色男に目のない婦女子にまでこよなく愛されるバンドへと成長した。大衆性へと飛翔した星五つレベルの近作"リバレイション・トランスミッション"発売後、半年かけて世界各国でライヴを行い、その総決算とでもいうべきファイナル・トランスミッション・ツアーを昨日終えたばかりのメンバー。疲れた表情を見せることもなく、笑顔で待ち詫びるファンの前に姿を現した。

Lostprophets  偉そうにディスク・レヴューをしておきながら実はライヴ未体験であったので、あのゴリゴリ極太サウンドとイアンのスクリームは果たして実際にどうなのだろうと、期待と不安が相反した心持ちでいたのだが、一曲目の"シノビ・ヴァーサス・ドラゴン・ニンジャ"の気迫溢れる野太いイントロを耳にした途端、そんな気持ちはどっかにぶっ飛んでしまった。のっしりと響くベース、それに負けじと鋭いツイン・ギターの波状攻撃で彼らの音がどんどん分厚くなり、前へ押し寄せて来る。ああ、こんなヘヴィなデビューだったよなー、と感慨に耽る暇もなく、"ニュー・トランスミッション"、人気チューンの、"バーン・バーン"と続く。昨晩の公演で燃焼しきったのか、イアンのシャウトが出ずにコーラスに助けられる場面も多かったが、そのコーラスとて、フロントの4人がかりで本気の熱唱だからパワフルこの上ない。最前列で歓声と矯声に沸くファンの前まで下りて来るサーヴィス精神旺盛なイアン、弦をガンガン鳴らし、雄叫ぶバンド・メンバー。たった3曲のプレイに満足出来ないオーディエンスの熱いアンコールに応え、一度引っ込んだ彼らは再びステージに戻り、"エヴリデイ・コンバット"まで披露した。

Lostprophets  フリー・イヴェントでたかが2〜3曲演奏するだけといえど、その集中力、情熱、芯の通ったひたむきなプレイから、恐らく本番のライヴでも彼らはきっと常にこのように本気で臨み、そしてその姿こそが、沢山の人達を魅了してやまない、今日のロストプロフェッツへと進化させたのだろう、と納得させる強い力を感じた。サウンドもルックスも兼ね備えたバンドなんか今日びそんなに珍しいことじゃない。大体、欧米偏重な美意識で見れば、外国人のミュージシャンなぞ大概格好良く写るもんだろう。何から入ったって人の自由だが、音でも見た目でも、単に格好良いだけじゃ誰も振り向かない。半端じゃなく格好良いサウンド、そして容姿とくれば、自ずと誰かが騒ぎ出す。何処から切っても男前だぜ、ロストプロフェッツ。

-- setlist --

Shinobi VS Dragon Ninja / The New Transmission / Burn, Burn / Everyday Combat

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button汗くさメタルよ、さようなら (07/04/23 @ HMV , London) : review & photos by kaori
buttonCD review : Liberation Transmission (06/07/04) : reviewed by kaori
buttonやっぱり顔より音? (05/01/12 @ Shibuya O East) : reviewed by ali


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The latest album

Lostprophets

"リヴァレイション・トランスミッション"
(初回限定盤DVD付き / 国内盤 / UK import / US import)
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"Start Somthing"
( US Import / UK Import / 初回限定盤DVD付き) / 国内盤)
"The Fake Sound of Progress"
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"Rooftops" [MAXI](UK import)
"Last Train Home" [MAXI](UK import)
"Last Train, Pt. 1" [MAXI](US import)
"Burn Burn [CD #1]" [MAXI](US import)
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button汗くさメタルよ、さようなら : ロストプロフェッツ (23rd Apr. @ HMV、ロンドン)
button腹に響くぜ、ロックン・ロール : ブラック・レベル・モーターサイクル・クラブ (18th Apr. @ アストリア、ロンドン)
button大人しいのは見せかけさ : ピーター・ビョーン・アンド・ジョン (15th Apr. @ ココ、ロンドン)
button金の卵探しはオール・ナイトで : ザ・ナインティーン・ハンドレッズ、ジャック・ペネイト、グッド・シューズ、ビッフィ・クライロ (13th Apr. @ フォーラム、ロンドン)
button行儀良く聴きたい夜には : ジョアン・アズ・ポリス・ウーマン (12th Apr. @ スカラ、ロンドン)
button眠れぬ森の王子 : パトリック・ウルフ (11th Apr. @ アストリア、ロンドン)
button裸の俺様 : レイザーライト (8th Apr. @ アールズ・コート、ロンドン)
button耳を肥やせ、インディ・ファンよ : リトル・マン・テイト (5th Apr. @ アストリア、ロンドン)
buttonあと、もう一歩 : マキシモ・パーク (4th Apr. @ HMV、ロンドン)
button泣く子も黙るライヴ天国 : フォール・アウト・ボーイ (2nd Apr. @ ハマースミス・アポロ、ロンドン)
button二枚目の分かれ道 : ザ・レイクス (31st Mar. @ ブリクストン・アカデミー、ロンドン)
buttonボヘミアン・ラプソディ : ゲット・ケイプ・ウェア・ケイプ・フライ (30th Mar. @ フォーラム、ロンドン)
button失われぬ青春ポップス : ザ・シンズ (28th Mar. @ フォーラム、ロンドン)
button ジャンル無法地帯警報 : エンター・シカリ (21st Mar. @ HMV、ロンドン)
button加速するエモ・ポップ特急 : キッズ・イン・グラス・ハウジーズ (17th Mar. @ ココ、ロンドン)
button天才とセンティメンタリズム : ブライト・アイズ (16th Mar. @ ココ、ロンドン)
button音楽が音楽であるために : ジ・アワーズ (15th Mar. @ KCL、ロンドン)
button踊るインベイダー : ザ・レイクス (12th Mar. @ HMV、ロンドン)
button怒れるスコッツ : ビッフィ・クライロ (9th Mar. @ HMV、ロンドン)
buttonフィヨルドの咆哮 : マンドゥ・ディアオ (7th Mar. @ KCL、ロンドン)
buttonお茶の間バンドの平均美学 : カイザー・チーフス (2nd Mar. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
button妖女の夢は夜ひらく : ハウリング・ベルズ (25th Feb. @ ココ、ロンドン)
button闘う女王様 : ゴシップ (24th Feb. @ アストリア、ロンドン)
button密色の調べ : デューク・スペシャル (21st Feb. @ ULU、ロンドン)
button天使の微笑み、悪魔の囁き : レジーナ・スペクター (16th Feb. @ アストリア、ロンドン)
buttonCD買うより観においで : ザ・ホロウェイズ (14th Feb. @ ココ、ロンドン)
button賢者の演奏 : クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤー (13th Feb. @ シェファーズ・ブッシュ・エンパイア、ロンドン)
button真冬のカーニヴァル : ラーリキン・ラヴ (12th Feb. @ ココ、ロンドン)
button僕らの音がグラマラス : スウィッチーズ (9th Feb. @ ココ、ロンドン)
button弾いて、歌って、踊っちゃう : オーケイ・ゴー (4th Feb. @ ココ、ロンドン)
button暴れん坊少年、見参 : ジェイミーT (24th Jan. @ アストリア、ロンドン)
button大人のメロディ : セブン・フォー・セブンス (23rd Jan. @ ザ・ボーダーライン、ロンドン)
button音も人も青春まっただ中 : ザ・ヴュー (22nd Jan. @ HMV、ロンドン)

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button北の音、弾ける : アイドルワイルド (4th Dec. @ スカラ、ロンドン)
buttonオらがバンド、ザ・ズートンズ! : ザ・ズートンズ (3rd Dec. @ ラウンドハウス、ロンドン)
button節目も何も、余裕です : ザ・シャーラタンズ (16th Nov. @ HMV、ロンドン)
button上空戦線異状なし : エアー・トラフィック (31st Oct @ 100クラブ、ロンドン)
button聡明な音楽 : ザ・ディアーズ(26th Oct @ ココ、ロンドン)


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