"カット・アップ・ビート・ツアー・ファイナル"
ロンサム・ダヴ・ウッドローズ @ 下北沢シェルター (31st Mar. '07)
祝・初ワンマン! 「Go Home!」は「また会おう!」の合図
会場に入ったのは開演から30分ほどたったころだった。遅れを取り戻そうと急いで中を見渡すと、ステージはすでに汗だく、フロアは熱狂の渦と化していた。予想を上回る人、人、人。思えば2005年10月のレコ発もシェルターだった。しかし、同じ場所でのライヴとは思えないほど、集客もバンドもグレードアップしていた。1月末から始ったレコ発ツアー、ファイナルをワンマンで迎えた自信。演奏にも表情にもその感触が溢れていた。
「ぎりぎりで監獄には入ったことないんだけど(笑)」のMCの後、1月に発売されたアルバム『Cut In Half』から"Jail House Rock"、"ブルースをけとばせ"と続ければ、フロアの熱気はさらに上昇、入り口付近の階段から見下ろす様はまさに"渦"。もう、静かに立ってなぞいられない! 気づけば、満員の観客の中に飛び込み、ロンサムが鳴らすロックの激しい流れに巻き込まれていた。
意外なことに、ロンサム・ダヴ・ウッドローズはこれが初ワンマン。いつもより力強いパフォーマンス、メンバーの笑顔が大きいのも納得だ。強面だし、口は悪いし、「笑顔」という言葉が似合うかどうかは「?」なんだが…。でも、終始いい顔をしていたことは間違いない。ワンマンはバンドのアイデンティティが丸ごとでる場だと思う。尖っていていかついサウンドなのにキャラはどこか暖かい、人間味溢れるアニキ達のステージは人対人の一騎打ち。そんなライヴだから、観客側も"観ている"というより誰もが"参加している"感じがする。ステージ上が嬉しい顔をしていたら、一緒になってあっちにもこっちにも笑顔が炸裂するのだ。汗だくで狂乱する姿に「笑顔」って言葉が似合うかどうかはやっぱり「?」なんだけど…。こちらもいい顔をしていたことは間違いない。"Shooting Bright Star"でのチルアウトタイムも、"Red Butterfly Boogie"のような曲で我を忘れて大騒ぎしているときも、とにかく、「ワンマンができてうれしい!」という気持ちと「こんなにいっぱいロンサムと一緒にいられてうれしい!」という気持ちが重なって、そこには最高のグルーヴができあがっていた。空間を共有するってこういうことなのだ。「調子にのって、また(ワンマンを)やっちゃおうかな?」の言葉に全員が賛同するのが目に見えた気がした。
"パレード"で静かに始ったアンコール。途中、Vo.ターシが感極まって声を詰まらせたのを振り切るように歌い上げたシーンに素直に感動した。これだけの人に囲まれた初ワンマンのツアー・ファイナル。込み上げるものの熱さも一入だっただろう。でも、ロンサムのライヴはこれがゴールではない。翌日のターシさんの日記に「Gigs Goes On」と書かれていたように、ここからまたたくさんのライヴが続いていくのだ。この日のラスト、"It's Alright…Go Home!"は「帰れ!」ではなく「また会おう!」に聞こえた。
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report by wacchy and photos by naoaki
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