ザ・スラッカーズ @ 渋谷ラッシュ (27th Mar '07)
slacker - [名] 怠け者 : 完全なる名前勝ち
日本各地を連日連夜かき回したスラッカーズは再び東京に戻ってきた。タイトなスケジュールの中にあってライブ勘がまったくぶれない彼らだったけれども、人、ひと、ヒトで埋め尽くされ一歩進む事すらままならないお客さんの体は、どこからともなく発生する押し合いへし合いに飲み込まれて、ぶれまくっていた。
裏打ちのたびに締め付ける、ゆるさとは無縁な曲"Crazy(クレイジー)"から始まったこの日のセット。グレンは登場からすでに真っ赤な顔をしている。ザラついたヴィックからヴォーカルのたすきを受け、色気と圧力を兼ね備えた喉をここぞとばかりに震わせるグレンだが、メインの楽器が自慢の口を封じてしまうトロンボーンってところがなんとも惜しい。リコやブラッデスト・サキソフォンのCohにしてもそうだ、トロンボーン奏者が秘める歌声はなぜにこれほどまで僕らを転ばす力があるのだろうかと不思議に思う。マイクを口元から外してトロンボーンと繋がれば、開いた花びらの奥に見え隠れする顔がみるみる紅潮するが早いか、直進してくる破裂音と共に上方向へと漏れる吐息が前髪をフワリと浮かせていく。ステージのどこを見渡してもひたすら熱いのだが、グレンのそよぐ髪にだけは場違いな清涼感が生まれていて、どこか可笑しい。
"Old Dog(オールド・ドッグ)"の中盤で差し込まれるワルツの三拍子は、おそらくホテルにお呼ばれしてダンスフロアで演奏してきた先人たちのイメージをだぶらせてでき上がったものだろう。もっとも、ここ渋谷ラッシュのダンスフロアでは、ズンタッタ…というリズムに合わせて踊るかわりに、手を挙げて右へ左へと揺れる。一体感を作り上げたら、パンク畑にも通用するスラッカーズのお茶目さが頭をもたげ、唸ったり遠吠えする犬(つまるところ哭き真似するメンバー)たちを放って切り裂いてみたり、発作のごとくのたうち回りやがてはひっくり返ってしまうデイブのパフォーマンスにしても、ヴィックが指揮をとる「デイブ!」コールで蘇生したりと風を思うがままに操るバンドの力をまざまざと見せつけていた。それらのひねくれ要素を持ち合わせた、完全名前勝ちなルードボーイ達は、誰もが知るブルーハーツという反則技もしっかりかまして、日本でのツアーを熱狂のうちに終えたのだ。
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report by taiki and photos by hanasan
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The official site
The Slackers
http://www.theslackers.com/
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