Smashing Mag / Berri Txarrak (ベリ・チャラック) @ Roppongi Rock Factory (25th Mar '07)

　実は、来日していたのも知らなかったバスクのバンド、ベリ・チャラック。いつだったか、かつてネグ・ゴリアックのメンバーとして活動した後に、プロデューサーとして評価を上げていったカキが、「今、バスクにはたいしたバンドはいないんだけど、このバンドは面白いよ」と渡してくれたのがベリ・チャラックと呼ばれるメタル系のバンドだった。あいにく、メタル系というと、これまでの自分には全く接点がなかったということもあり、ほとんど気にしていなかったんだが、そのベリ・チャラックが来日し、この日、完全にフリー、要するに一銭のチャージもなしで演奏するという情報が飛び込んできた。たまたま時間があったので、カメラをリュックに詰め込んで撮影に出かけたんだが、これが面白かった。

　メタル系といっても、彼らが通過しているのは80年代のUKパンクなんだろう、途中、ニュー・オーダーのカバー、「ブルー・マンデー」なんぞも挟みながら1時間を超える演奏から、ちょっと異質でハードなロックを楽しむことができた。面白いのは、彼らとはまるで水と油のようにも思えるスタイルの音楽を演奏しているザ・スラッカーズの面々もベリ・チャラックの演奏を体験したことがあるらしく、「奴らは、凄いバンドだと思うよ」と手放しで褒めちぎっていたこと。スタイルなんぞどうでもいい。その奥底につながるなにかが演奏から放たれているのだということを再確認したのがこの日だった。　チャンスがあれば、どこにでも出かけていって演奏するという前向きな姿勢を持つ彼らは、今回、台湾を経て、日本をツアー。その後にドイツで12日間に渡るツアーをする予定があるようだ。そのうちの1日はベルリンでバンダ・バソッティも出演する「反G8集会」での演奏。次いでアイルランドでのツアーがあるようで、夏には地元バスクのビルバオで開催されるフェスティヴァルでレッチリなど友共演するとか。すでにヨーロッパからイギリスなどで高い評価を受けている彼らを初来日で体験できたのは実にラッキーだったと思う。