ザ・スラッカーズ with オイ・スカル・メイツ & スパイク @ 新宿ロフト (21st Mar '07)
- 生身でつきあうスラッカーズ -
スカを基本にしつつ、決してそれに縛られない選曲でDr.IHARAが新宿ロフトをあたためている。カウントダウンのきっかけは急激なアナログの逆回転。おかげで良質なブルーズはチュルルと身を引いて、Dr.IHARAといったらコレ! な、ザ・クラッシュ"Rudie Can't Fail(しくじるなよ、ルーディ)"がかかりだす。他にDJがいないにもかかわらず2回目のスピンとなったったんだけれども、毎回上手さでうならせてくれる彼の頭には、スラッカーズを見にきたお客さんをさらに刺激するにはこれしかない、との思いが経験から導きだされていたはずだ。そして、ホスト役も同時につとめ、曲が終わるが早いかバンドを気持ちよく呼び込んでくれた。
スラッカーズが満を持して登場すると、お客さんは諸手をあげて歓迎する。メンバーが「あいうえお」と言っただけでもさらにワァと歓声をあげただろう。まぁ、それは言ってないけれど当然挨拶はしてくれたんだな、そうなればもぅワァどころの騒ぎではなく、体の各パーツはあれよと言う間にその機能を発揮し、やんわりお隣を押しのけたりと、様々な動きをして踊る場所を確保しようとするわけだ。そしてフロアはドラムのショットをきっかけに、2ストロークのピストン運動=モンキーダンスをおっ始める。裏打ちの拍子で持っていくと言っても間違いではない、力づくで引っこ抜くというよりは包み込んでさらってしまう印象で、懐の深さを見せつけ、存分に遊ばせては踊らせながら、どこかでじっくり聞かせてしまう力を持っている。
疾走する"Crazy(クレイジー)"は、ホーン以外のパートが裏をとってジャマイカ、底から突き上げるコーラスがキューバというふうに、スカ・クバーノの登場まで相容れなかったと言われるふたつの文化がみごとに同居している。間奏でのデイブのサックスはプァーと迫って顔面にプゥと息やツバキをかけるような勢い。今回のセットは、ホーンの音圧がとんでもなく大きく、キーボードの幽体離脱っぷりはプログレのようだから、ジャズにブルーズ、ソウルにあれこれなどと並べただけの生易しいもんではないなと改めて強く感じる。月並みな言い方だが「スラッカーズのジャンルはスラッカーズ」ってことだ。
前日の440でヴィックと渡辺俊美(ザ・ズート16, T1SS)がセッション時のMCでちらっとブルーハーツの話題に触れていた。結局やらず終いだったが、今回はまさかまさかで"人にやさしく"をほぼ完全な日本語で歌う。スナッフが歌う日本の歌より聞きやすい、なんてのは置いといて、本当に好きなのだろう、メンバーの誰か(おそらくギターのジェイ)がLPを欲しがっているそうだし、アンコールではオイ・スカルメイツのワタル・バスターの乱入で、さらに一発"リンダリンダ"をかましている。対バンする者に共に演りたいと思わせたり、ファンが彼らに抱く思いと同じ分だけ返してくれるような、誰とでも生身で付き合えるバンドがスラッカーズなのだ。
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report by taiki and photos by hanasan
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The official site
The Slackers
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