ビッフィ・クライロ @ HMV、ロンドン (9th Mar. '07)
怒れるスコッツ
スコットランドはグラスゴウ出身の3ピース・バンド、ビッフィ・クライロ。野太くハード・ロックなヴォーカルに、小編成だからこそのタイトでゴリゴリとしたサウンドは硬派と呼ぶに相応しいが、ハード・コアなアプローチから、純粋に普遍な美しさを持つメロディックな曲まで実に多様な表現力であり、当人らが主張するように、単純にジャンルに分けては括れない異色なロック・バンドだ。
今日は英国で5日にリリースされたシングル、"サタデイ・スーパーハウス"に合わせたミニ・ライヴとサイン・セッションをかねての彼らの登場である。真っ黒な髭と髪に覆われ顔が見えないヴォーカル、サイモンに、同じ様に肩までの髪に眉毛までブロンドのベースのジョン、唯一こざっぱりとしたドラムのベンがステージに上がり、黒ずくめの少年達でいっぱいになったフロアからは野郎のぶっとい声援。通常のイヴェントでイケメン・バンドを待ち構えるガール達の姿はほとんど見られない。
地面をつんざく様なベースラインとパワフルなドラミング、そして男臭い声が何とも良い"セミ・メンタル"、最新シングル曲は、初期のアイドル・ワイルド、フー・ファイターズや、ニッケル・バックに通じる、疾走感溢れるサウンド・スケープに良質なメロディが絡み、ライヴでは盛り上がること必至なキラー・チューン。95年のデビューから10年強。UKレーベルのベガーズ・バンクエットから発表されている3枚のフル・アルバムを紐解けば、繊細で美しいスロー・ナンバーもあり、ただ喧しいの一本調子ではない多彩な世界が広がっている。汗も涎もいっしょくたに飛び散る豪快なパフォーマンスから伝わる彼らの情熱。4月に発売予定のニュー・アルバムが楽しみだ。
-- setlist --
Semi-Metal / Match / Wave Upon Wave Upon Wave Upon Wave / Joy Discovery Invention / Eradicate The Doubt / Saturday Superhouse / Get Fucked
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report and photos by kaori
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