アストロB、ピノキヲ @ 初台ドアーズ (5th Mar '07)
世界はアニメでできている
仕事のため、ライヴが始まる時刻ギリギリにライヴハウスに到着。ダメかと思って重い扉を押すと、まだセットチェンジ中だった。この日は、いろんな指向をもつバンドが集まった企画で、アストロBはトリ前の出演だった。会場にはゴスロリファッションの女の子たちが目立つ。
そして、いつものようにジーザス・ホリエサンの強烈なドラムと、プロフェッサー・サムのキーボードがノイジーな音と共に鳴り響き、柔道マンが空手のアクションをしてライヴが始まる。この日は、VJがいなかったので、ヴィジュアル面で寂しい感じもしたけれども、その代わりに、忍者ボーイと謎の女・MAYU不二子の2人のダンサーが頑張る。2人の動きがシンメトリックになることが多くて、見応えがあった。
"Space Cat"は、キュートなエレクトロパンクな曲なのであるけど、日本語の歌詞に変更されていて新鮮だった。アレンジもちょっと変ったような気がする。いつものジーザスホリエサンのコーナーを経て"Future Rock"。初台ドアーズというライヴハウスは、ステージが高いので遠くからでもよく見える。ジーザスホリエサンの華麗なスティックさばきや、プロフェッサー・サムのアクロバティックなキーボードソロも十分楽しめた。
カリスマ坊主・ラマ様も参加して"急げ、若者たち"は、ガンダムやエヴァンゲリオンのネタがちりばめられた曲。そして、テクノパンクとオリエンタリズムが合体した"サムライ・トランス"や"ヨガ・ディスコ"でフロアを踊らせる……のだが、他のバンドのファンが多くてちょっと残念。締めに、久しぶりに聴けた"ネヴァーエンディング・ストーリー"。もちろん、あのリマールのカヴァーである。それをキヨミ・カークラッシュのジョン・ライドンを思わせる巻き舌ヴォーカルにパンキッシュなサウンドが加わる。撤収のときにラマ様が歌う"般若ボッサ"を聴きながら、他のメンバーは黙々と片づけるというシュールな光景だった。
そして、次に出てきたのは……、このサイトで扱っていいのかとちょっと不安になるが、インパクトはすごかったので、触れておこう。ピノキヲというユニット? である。ネットで調べるとメンバーはセガのゲーム機で、ヴォーカルはサポートメンバー!? って人はひとりしかいないぞ(まあ、要するに初期はエコーというドラムマシーンが「メンバー」だった、エコー&ザ・バニーメンのようなものだと思っていただければ)。その設定からして怪しいものであるが、もっと怪しいのは歌っている内容である。ピコピコしたサウンドに乗せて「僕と握手しよう」とか「この世がアニメだったら」とか「セガのゲームは世界一!」とか。中には自殺がほのめかされている耽美な曲もあるが、ハイテンションなオタク系なもの。世界は秋葉原で出来ている。ヴォーカルの「うゆに」は、顔を白く塗ってピエロみたいな格好にランドセルを背負っている。そのヴォーカルに、ゴスロリなどのコスプレをしたファンたちは「お兄たま〜、お兄たま〜」と歓声を浴びせる。いや〜すごいものを観させてもらいました。普段自分が近づかない世界もたまには観ておいた方がよいかと。
|
mag files : Astro B
世界はアニメでできている (07/03/05 @ Hatsudai The Doors) : review by nob
ザッツ・エンターテイメント (06/09/30 @ Shibuya Yaneura) : review by nob, photos by keco
photo report (06/09/30 @ Shibuya Yaneura) : photos by keco
photo report (05/10/09 @ Yotsuya Live Gate) : photos by keco
デジタルな昭和 (05/09/25 @ Higashi Kouenji UFO Club) : review by nob, photos by keco
photo report (05/09/25 @ Higashi Kouenji UFO Club) : photos by keco
サイバー・お笑い・バトル (05/05/06 @ Yotsuya Live Gate) : review by nob
|
|
|