!!! (チック・チック・チック) @ 渋谷オーイースト (2nd Mar '07)
イントゥ・ザ・グルーヴ
前座のTucker(タッカー)が始まるころには、すでにO-eastは満員に近い状態だった。自分がタッカーを観るのは2003のフジロック以来である。タッカーは、DJをやり、キーボードで"白鳥の湖"を弾き、ベースを弾き、ギターを弾き、ドラムを叩き、叫び、キーボードの上で逆立ちをする。目まぐるしく楽器を替え、エレクトーンのデモンストレーションのレコードを回して笑いをとり、ジミ・ヘンドリックスの"ファイヤー"をサンプリングするという、まさにファイヤーな、爆裂音楽芸人ぶりを見せてくれた。「面白いぞー!」という声援も飛び、最後は大きな拍手に包まれた。
ちょっと長いと思われるセットチェンジを経て、20時ころ!!!が登場する。フジロック、エレクトラグライドと過去自分が観たことがあるライヴでは、深夜の疲れた体にカフェインを入れて覚醒させるような演奏を繰り広げていたのだけども、この日は、寝た子を無理矢理起こすようなアッパーでハードなものから、もうちょっと柔らかくなってきた感じがした。
それだけ、グルーヴィーになったといえる。より踊りやすくなった感じだ。結果的にはフロアのほとんどの人が踊りまくっているという状態になったのである。ヴォーカルのニックはタオルやシャツなどをフロアに投げ込み、大盤振る舞い。シルエットがヒゲダンス(Mr.ビーンもそんな格好をしていたような気が)に似ているポーズをとり、激しくダンスする姿はカッコイイというよりは、お笑いのカテゴリーに入る妙なアクションである。その動きを見ていると、この前に観たシザーシスターズを何となく思い起こす。もちろん、音楽的にもルックス的にも違うけど、より幅広く開かれたダンスをしようという意識は同じようなものがあると思えてくる。やっぱり、それだけ!!!が柔軟なバンドになったのではないか。
ロックではないし、いわゆるファンクでもないし、パンクでもないし、ルーツを辿れば、トーキングヘッズあたりになるのかも知れない。さまざまなジャンルの音楽折り重なって、生演奏のダンスミュージックというのは確かなんだけども、一言で言い表せない不思議な存在感を持つバンドである。それでいて、決して難しいわけじゃない。お客さんは若いし、男女も半々くらい。なんというかすごいパーティー感があって、お客さんたちは貪欲には楽しもうという空気が漂っていた。本編が1時間くらいで終わり、アンコールが1曲では、時間的には物足りないのだけど、密度の濃いライヴだったので、もし、この後も続いていたら体力が持っただろうか。
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report by nob and photos by keco
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mag files : !!!
イントゥ・ザ・グルーヴ (07/03/02 @ Shibuya O-East) : review by nob, photos by keco
photo report (07/03/02 @ Shibuya O-East) : photos by keco
CD review : Myth Takes (07/02/02) : review by michael
photo report (06/06/29 @ Koko, London) : photos by emi
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