ザ・ホロウェイズ @ ココ、ロンドン (14th Feb. '07)
CD買うより観においで
北ロンドンのホロウェイズという地区にあるナンブッカというバーで出会ったことがきっかけで結成された、ザ・ホロウェイズ。ツイン・ギターを軸にした音の厚みと、リード・ギタリストのロブによるフィドルの牧歌的な弦楽の調べが、インディ、またはパンク・ロックに括りきれない愉快な音楽を聴かせるバンドだ。旬の人気バンドや、ビッグ・ネームが顔を揃える今回のNMEツアーにおいてはギリギリまでチケットが完売する気配がなかったことから、まだ注目度の薄さは否めなかったが、デビュー・アルバムから聴こえるその楽曲が、ライヴで実に大化けしたのである。
定刻より若干遅れてステージに現われたメンバー4人。フロントマンのアルフィーは格子縞のシャツに毛糸帽子と古着屋の兄ちゃんみたいでお洒落であるし、リズム隊の面々は男っぽくラフなスタイル、サングラスがポイントのギタリスト、ロブとそれぞれ出で立ちが個性的だ。やおらスタートした1曲目からいきなりベースのずどーんという重たい音が腹に響く。駆け足するかのようにぐんぐん引っ張るギターも軽快だ。バンド全体がフル・エナジーで演奏しているのがこちらにも伝わり、極めつけはドラマーのデイヴを筆頭に、皆非常に演奏が上手い。各パートの音がしっかりしているのでアルフィーの柔らかい声がそれにかき消されるかと思いきや、パワフルな音の中心にきちんと根を張って聴こえてくる。"トゥー・レフト・フィート"、"ジェネレイター"のあっけらかんとした前向きな響きにフロアの若者は歌い、飛び上がり、大興奮。CDのヴォリュームを上げただけでは決して同じ事にはならないライヴの臨場感と、当社比90%といっても過言ではないダイナミックで熱い演奏にとんでも無いギャップを感じ、驚きと同時に勿体無さを感じた事も事実。
不器用な恋心や寂しさを歌う中で、それでも希望を捨てない明るく陽気なサウンドだが、これぞというメロディに乏しい為、リバティーンズの二番煎じの様な印象だったデビュー・アルバム。しかし、ここまで観る側を圧倒させる全力疾走のパフォーマンスはミステリー・ジェッツやダーティ・プリティ・シングスにも引けを取らない。あまたあるインディ・バンドと侮るなかれ。
-- setlist --
Kings Cross Cutie / Diamonds And Pearls / Happiness And Penniless / Nothing For Kids / Most Lonely Face / What's The Difference? / Fit For A Fortnight / Aspirin / So This Is Great Britain? / Malcontented One / Two Left Feet / Fucks Up / encore / Generator / Dance Floor |
report and photos by kaori
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